資産運用20年、リアルな運用資産の騰落や金額を公開する!?
水瀬ケンイチ
2010年に共著で刊行された「ほったらかし投資術」(朝日新聞出版)と、2017年に単著で刊行された「お金は寝かせて増やしなさい」(フォレスト出版)が、奇しくも同じようなタイミングで改訂されることになっています。
「ほったらかし投資術」は2015年に全面改訂版が刊行されたあと、6年ぶりに「三訂版」になります。テーマの根幹は普遍ですが、表現をほぼ全面的に書き直しているところです。「お金は寝かせて増やしなさい」はより初心者向けに、「マンガ版」として新たに編集しているところです。
いずれも前回から数年を経て、相場状況や金融機関の商品・サービスなどの外部環境が大きく(主に良い方向に)変化していることを反映させています。
私が実践している投資にも大きな変化が起こっています。ここ数年の市場の好調を受けて、運用資産が思った以上に増えているのです。ふだんあまり気にしないようにしているのですが、書籍の改訂にあたり、実際に運用資産の評価額と年率リターンを計算すると、けっこうえげつなく増えていました。
一方で、もしまたリーマン・ショックのような暴落に巻き込まれれば、これがあっという間に激減するリスクは常に抱えていますし、大きな運用資産を持っていることを世の中に公開することはそれなりの危険を伴います。自分のことだけを考えれば、公開は百害あって一利なしといっても過言ではありません。
ブログでは最初から公開していません。当時のブログ読者さんたちと相談した結果、無料ブログでの資産公開はリスクが高すぎるとの助言をいただき、身の安全を最優先して金額は書かず、公開するのは資産配分(アセットアロケーション)と主な投資商品までというスタンスを貫いています。
しかし、有料の書籍である「お金は寝かせて増やしなさい」の刊行後、多くの読者さんからご好評をいただいたのは、諸般の事情により、結果的に金額入りで生々しく書くことになった「涙と苦労のインデックス投資家15年実践記」の章でした。
それがおおむね「20年実践記」に延長・拡大された今、金融のプロや学者ではなく個人投資家が書く本としては、リアルな運用資産の騰落や金額が読者さんにとってより参考になるだろうと思うに至っています。
どこまで書くかはそれぞれの本のテイストに合わせた形になりますが、勇気をもって書いていこうと思っています。乞うご期待。
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