労働者への賃金はなかなか増えず、株主への利益配分はどんどん増える

水瀬ケンイチ

給料がなかなか増えない。
これは、僕たち労働者の実感だと思います。

戦後最長の好景気が続いていると言われて久しいです。
春闘がヤマ場を越えましたが、史上最高益を更新中のトヨタですら、賃上げは昨年同様の1000円です。渋い。
景気がいい間は、一時金でフォローという感じでしょうか。
一方で、上場企業の配当金と自社株買いを合計した金額は、前年度比23%増え、過去最高となる見通しだそうです。

【NIKKEI NET 2007/03/19より引用】
株主配分最高の13兆円に・今年度、純利益の半分相当
 上場企業が株主への利益配分を強化している。配当金と1株利益の増加につながる自社株買いを合計した金額は、2006年度に13兆3000億円程度と前年度比23%増え過去最高となる見通しだ。企業収益の拡大が続くなか、純利益の半分相当を株主へ返すことになる。本格的なM&A(企業の合併・買収)時代を迎え、株主配分を増やし、市場での評価を高めることで買収の標的となるリスクを軽減する狙いもある。
【引用終わり】

良し悪しはともかく、いま日本企業の利益は、労働者よりも株主に流れているように僕には見えます。

だとしたら、僕たち労働者も、株式を所有していればよいのではないでしょうか。

昔と違って、株式投資のための資金は、うん百万円もいりません。
例えば、TOPIXのETFを一単元買えば、十数万円でこの大きな流れの恩恵を、すこし受けることが出来るのではないかと思います。
もちろん、株式には相応のリスクがありますので、配当金と自社株買いを、給料のベースアップと同じ感覚で考えてはいけないとは思うのですが。

先日、タクシーに乗る機会があったのですが、運転手さんが、
「景気は良いはずなのに、お金は俺たちのところまで回ってこないよ」
とボヤいていました。
特に、企業のタクシーチケットが全然使われず、大口利用割引を用意していても、企業の財布のひもは堅いとのこと。

世間話として僕が、
「大変ですね~。いっそのこと、株でもやったらどうですか?」
と言ったら、運転手さんは、
「いやあ、不二家さんには儲けさせてもらいましたよ」
と言ってニヤリとしていました。
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Posted by水瀬ケンイチ