【日本株式】低コストインデックスファンド徹底比較(21年12月末)、混戦もeMAXIS Slim

水瀬ケンイチ

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「低コストインデックスファンド徹底比較」シリーズ記事として、日本株式クラスの主要なインデックスファンドについて、2021年12月末で比較しました。

※当シリーズ記事の説明書きとして、まずは『新シリーズ!「低コストインデックスファンド徹底比較」開始。まずは説明書き』をぜひご覧ください。

それではどうぞ。

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日本株式クラスの比較対象インデックスは、「TOPIX」です。

比較の結果、「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」(運用会社:三菱UFJ国際投信)が信託報酬年率0.154%、インデックスとの差異が-0.2%、1年リターンが年率 +12.57%、3年リターンが年率 +12.51%と高評価でした。

次点は、「ニッセイTOPIXインデックスファンド」(運用会社:ニッセイアセットマネジメント)で、信託報酬がeMAXIS Slimと同じ年率0.154%、実質コストが0.157%と高評価でした。

「eMAXIS Slim」シリーズは、業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続けると運用会社が表明しているインデックスファンドシリーズで、今のところ、日本株式クラスではライバルファンドの信託報酬引き下げに追随しています。さらに、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は、純資産残高が448億円まできており、今後、500億円を超えると発動する「受益者還元型信託報酬」でさらに信託報酬が下がる余地があります。

原資産である企業の株式から配当が出てくるにもかかわらずベンチマークに「配当除く」インデックスが設定されているインデックスファンドが表下部にまとめてあります。これらはインデックスとの差異が大きく、インデックスとの連動を目指すインデックスファンドとして馴染まないため評価を下げています。

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日本株式クラスのインデックスファンドは、信託報酬 年率0.154% に4本のインデックスファンドがひしめいていて接戦です。

日本株式全体を見ると「バブル経済」時代のPER100~200倍の超割高水準から「失われた20年」を経て、現在、PER約17倍と既に正常化していると考えられます。為替リスクがなく、株式のリスクプレミアムを取れる日本株式クラスのインデックスファンドは、もっと評価されて良いのではないかと思います。

また、東証が2022年4月にTOPIXの算出方法を見直す予定と発表しています(概要はこちら)。連続性の確保に十分に留意しつつ、流動性を重視する方向で構成銘柄を選定するとのこと。現在のところ、TOPIX連動インデックスファンドへの影響はあまりないと思われますが、気になるようであれば、落ち着くまで日経平均等に連動する日本株式インデックスファンドに投資するのもひとつの手だと思います。

いろいろありますが結論。

日本株式クラスの主要なインデックスファンドについて、2021年12月末で比較した結果、「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」が高評価でした。


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本ブログ記事は、私が過去に執筆・監修した書籍に掲載したおすすめインデックスファンド情報のアップデート版という意味もあります。今後も定期的に継続していく所存です。

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