「老後が不安」に対する禅の答え
水瀬ケンイチ
PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)に興味深い記事が掲載されていました。
「林に何を持って入りたいか」お金をどれだけ貯めても"老後が不安"に対する禅の答え 老後という概念を捨てたほうがいい
貯めても、貯めても尽きないお金の不安。この不安の沼から抜け出す方法はあるのでしょうか。京都・両足院の伊藤東凌さんは「昔から仏教では『持てば不安になる』ということは徹底的に言われています。物だけでなく、あらゆる概念や関係性を含めて、とにかく持つことは不安につながるので、手放す生き方を推奨しています」といいます――。
詳しくは上記コラムをご覧いただきたいのですが、貯めても尽きないお金の不安の沼から抜け出すためには、物だけでなく、あらゆる概念や関係性を含めて、手放す生き方を推奨するとのこと。
なんだか矛盾しているような気がしますが、読みすすめると、安心を『あんしん』ではなく『あんじん』と読みかえるとあります。あんじんとは心の軸という意味だそうです。心の軸がしっかりしていれば、些細なことで不安にならないというのは理解できます。これなら不安対策になりそうです。私も投資においては軸がぶれないようにしようと常々心がけています(人間的にはぶれぶれの未熟者ですが)。
お金は人生をともにするパートナーとも言っており、お金によって安心や幸せは手に入りませんが、不幸を回避したり新しいことを始めたりするときに役に立つと認めています。そりゃそうですよね。人が生きていくのにはある程度お金がかかります。仙人のように霞を食って生きられるわけではないですものね。
また、仏教では人生のサイクルを「学生期」「家住期」「林住期」と分けて、人生の後半は林の中に入っていくというお話も渋いです。実際に林に入るわけではなく、どこか社会の中にもっと溶け込んで貢献していくというイメージとのこと。
これは私が抱いているイメージととても近いです。食うために働くことを早めに卒業し、ある分野で思い切り社会貢献しようと考えています。林住期は50~75歳らしいので、結果的にですが、これもまた私の年齢と早期リタイアのだいたいの目標時期に重なり、すこし背中を押していただいたように感じます。
林の中に入るときに絶対に持っていたいものは何かを自分に問うことで、お金ではない、いま準備しておくべきものが見えてくるといいます。コラム筆者のお坊さんの意見は「若い友だち」というのもなかなか素敵じゃないですか。身近な友だちだけでなく、ブログやSNSのつながりも大切にしたいと思います。
みなさんは林に何を持っていきたいですか。
▼数は多くありませんが、早期リタイアに関して私が集めた記事をまとめています。
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