世界各国の長期金利が上昇中。債券投資はどうする?
水瀬ケンイチ

世界の金融市場で金利の上昇が広がってきたとの日本経済新聞の報道です。
世界の金融市場で金利の上昇が広がってきた。米国は長期金利の指標となる10年物国債利回りが2年半ぶりに2%台に乗せた。日本も6年ぶりの水準にじわり上昇。新型コロナウイルス禍で世界各国は財政拡大で対応し債務を膨らませてきた。しかしインフレに直面し、緩和局面は転機を迎えている。金利上昇で利払い負担は増し、経済基盤の弱い南欧や新興国ほど影響が大きくなりえる。金利上昇ペースが速まっているのが米国だ。昨年
記事の中にあるグラフが、金利上昇の程度感がわかりやすかったので引用させていただきます。
上記日経記事では、「金利上昇が世界に広がり利払い負担が重くなる」という悲観的なトーンです。しかし、グラフを見ると日本、ドイツ、英国、イタリア、米国などの先進国は、今までの異常なマイナス金利(もしくは超・低金利)状態からようやく正常な金利水準に「戻ってきた」というのが実態のように私には見えます。
異常なマイナス金利(もしくは超・低金利)が正常に戻れば、家計の預貯金の金利にも少しはまともなものが付くようになるかもしれないし、金利で稼げず青息吐息だった金融機関も、少しは息を吹き返すのではないでしょうか。
金利と債券価格はシーソーの関係です。金利が上がれば債券価格は下がる(金利が下がれば債券価格は上がる)。
債券インデックスファンドは、金利上昇により短期的には基準価額が下がり、損失が出ているかもしれません。もっとも、リスク(標準偏差)が小さいので、損失の幅も小さいと思われます。また、長期保有により、上昇した金利でのインカムゲインが積み上がり基準価額は安定することが期待できると思います。
こんなこと(金利上昇局面)もあろうかと、以前から債券クラスの投資商品を「個人向け国債変動10年」にしてきました。金利変動により元本が一切変動せず、変動金利により金利上昇にある程度追随したリターン向上(小さいですが)が期待できます。
まあ細かい違いはあるものの、じぶんのポートフォリオにおいて、債券クラスには、株式クラスの大きな価格変動のクッションとしての役割を果たしてもらえればそれでいいかなと思っています。
今後、ドカーンと暴落が来た際にも、一発退場にならず市場に居続けられるように、ポートフォリオ全体のリスクをじぶんのリスク許容度の範囲内におさめておくことが大切だと考えます。
(財務省WEBサイトより)下げ相場で光り輝いて見える「個人向け国債変動10年」。金利は長らく最低保障の年0.05%でしたが、先月1月は年0.07%、そして今月2月は年0.11%まで上がってきました。日本の長期金利に動きが出てきたようです。個人向け国債変動10年は、実勢金利の動きに応じて半年ごとに適用利率が変わります。つまり、過去に買ったぶんも含めて自動的に実勢金利に追随していってくれる。株式クラスだけでなく、債券クラ...
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