悩ましい為替リスクを回避する投資信託の為替ヘッジ解説記事
水瀬ケンイチ

日経電子版に投資信託の為替ヘッジの解説記事が掲載されています。
米国など海外の株式で運用する投資信託を購入する人が増えています。海外の資産で運用する投資信託には「為替ヘッジあり」や「なし」と記載されている場合があります。どのような違いがあるのでしょう。Q 為替ヘッジとは何ですか。A 為替相場の影響をヘッジ(回避)することです。例えば、米国の株式で運用する投信では日本円を米ドルに交換して株を購入します。その場合、運用成績には投資した株の価格変動と為替相場の2
上記記事にあるとおり、為替ヘッジありの投信では為替の影響をほぼなくせますが、為替ヘッジコストがかかります。
コストといっても、運用会社が徴収する手数料のたぐいではないです。「基本的には対象となる通貨と円の短期金利の差を反映」したリターンへの影響であり、対象となる通貨の短期金利が円の短期金利を上回ると為替ヘッジコストは大きくなります。日本は長らく超低金利状態が続いていますので、為替ヘッジコストがかさみがち。
記事によると、三井住友DSアセットマネジメントが運用する投信は2021年に「対米ドルで純資産総額の0.2~0.8%(年率換算)ほど」「2018~2019年には対米ドルで2%を超えた時期もある」とのことなので、年率で見ると馬鹿にできないマイナスとなっていると思います。
私はポートフォリオの外貨比率が約7割ありますが、為替ヘッジはしていません。いちおう理屈の上では、先進国株式クラス、新興国株式クラスの期待リターンは為替リスク込みということになっているという理解で、為替リスクを受け入れてなお、期待リターンは年率5~6%のプラスだと考えています。
そのかわり、期待リターン水準が株式クラスよりも低い債券クラスでは為替リスクを取りたくないため、ほぼ国内債券のみで運用しています。
為替リスクは悩ましいですが、うまく付き合っていくことが必要だと思います。リターンを削ってでもリスクを抑えた運用を優先したい場合は、為替ヘッジありの投信を活用するのもアリかもしれませんね。
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