転職や退職の際に企業型確定拠出年金を放置すると、最悪の罰ゲーム状態に…

水瀬ケンイチ

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会社で企業型確定拠出年金をやっている人が転職や退職の際に手続きをせずに放置し「自動移換」されてしまうと、大変なことになってしまうという注意喚起です。

100万人以上が手続きせず…「確定拠出年金の放置」で積み立てた年金がもらえないリスク 退社後6カ月以内の手続きが必要

企業型確定拠出年金の加入者が増えている。そんな中、転職や退職の際に手続きをせずに放置し「自動移管」されている人が100万人を突破した。経済コラムニストの大江英樹さんは「退社後6カ月以内に手続きをしないと自動移管され、60歳になってもせっかく積み立てた年金を受け取れない場合もあります」という――。


上記記事によると、退職後6カ月間手続きがないと企業型確定拠出年金の資産は自動的に売却され、国民年金基金連合会にお金が移されて現金で預かることになります。これを「自動移換」といいます。

こうなってしまうと以下の4つの問題が起こるとあります。

1.自動移換後は運用することができない
2.自動移換されている間はずっと手数料(毎月52円)だけは引かれる
3.60歳になってもすぐに受け取れない可能性がある(加入期間が10年以上ないと60歳から受け取り始められず)
4.移換手続きに手数料(4348円)がかかる

そもそも、勝手なタイミングで資産を売却され現金化されてしまうことだけでも最悪ですが、その後も金利なしなのに手数料だけはチビチビ取られていき、あろうことか自分のお金なのに60歳になってもすぐに受け取れない可能性があるという、デメリットしかない最悪の罰ゲーム状態に陥ってしまいます。

しかも、けっこうな人数がこの「自動移換」状態になっており、年々増加しているというデータまでありました。


終身雇用は崩壊し、ふつうに転職が行われている昨今ですし、また話題のFIREで早めの退職をされるかたも増えていくことが予想されます。

私も勤務先の会社が企業型確定拠出年金を導入しているので、他人事ではありません。もし自分が転職や退職する際には、転職先の確定拠出年金があればそれに移換するか、iDeCo(個人型確定拠出年金)に移換するなどの手続きを、必ず6カ月以内に行いたいと思います。上記の「自動移換」状態だけは絶対に避けたいところです。

入社した時に、各種手続きに忙殺され、何がなんだかわからないうちに企業型確定拠出年金の運用商品を選ばされ、それ以来運用状況などを見たことがなくずっと放置しているという人は、自分が企業型確定拠出年金に加入している事自体を忘れている可能性があります。

自動移換になるといちおう年一回お知らせが届くそうですが、そもそも転職や退職の際は、そもそも自動移換になってしまわないように、6カ月以内に手続きを絶対忘れないようにすると胸に刻みました。


P.S その1
些末な話ですが、上記コラムのリード文や本文や図表に、「自動移換」と「自動移管」という表記が混在しています。この場合正しくは「自動移換」だと思われます。

P.S その2
「どうすればよいのか」が書かれた良記事をご紹介いただいたので記録しておきます。

【転職時は要注意】企業型確定拠出年金の移管の流れ – MARKET PASS

確定拠出年金制度確定拠出年金は、拠出された掛金とその運用収益との合計額をもとに、将来の給付額が決定する年金制度です。


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Posted by水瀬ケンイチ