真っ赤なフェラーリを路駐!トレーディングの日常!?
水瀬ケンイチ

日経電子版でトレーディングの日常が垣間見られます。
外資系投資銀行に勤めていた時の話だが、会社が入居するビルの表玄関に真っ赤なフェラーリがよく駐車されていた。アジア太平洋全域の株式部門を率いる日本駐在のフランス人トレーダーA氏の車だった。ビルの地下にある所定の駐車場に入れずに、表玄関に置きっぱなしにする。ビルの管理会社にとっては全くもって迷惑な状況だったはずだ。ただA氏にしてみれば表玄関に車を放置して、たとえレッカー移動させられたとしても大したこ
会社が入居するビルの表玄関に真っ赤なフェラーリがよく駐車されていたそうです。フランス人トレーダーの車で、トレードで取っているリスクに比べたら、車がレッカー移動されることなど気にしなかったとあります。いや、路駐はやめようよとは思いますが、トレーダーのエピソードとしてはおもしろいですね。
プロとして成功しているトレーダーは才能とセンスに恵まれ、勝ちつづけるために必要な瞬発力、集中力、判断力、柔軟な思考、飛躍した発想、冷静な観察力などを持ち合わせており、多くのスタープレーヤーはそんな生活を続けなくても既に一生かけても使い切れないほどのお金を稼いでいるので、第一線を自らの意思で退いてしまう人が多いとのこと。
引き際を知らない人はトレードに参戦し続けて、やればやるほど平均に引っぱられていき、手数料の分負けていくのでしょう。
プロたちがひしめくトレードの世界において、個人が生き残っていくには、まったく別の方法でないと太刀打ちできないと思います。ひとつの方法が、徹底した国際分散投資のバイ&ホールドです。資産を安く買って高く売ることをくり返すのではなく、資産を売買せずにゆっくりとした世界経済の成長を取り込む投資法です。
機を見て市場から出たり入ったりしていると、チャールズ・エリス氏が「稲妻が輝く瞬間」と形容する「上がり相場」や「リバウンド相場」を逃し、リターンの大半を失ってしまう恐れがあります。やるなら徹底したバイ&ホールドがよいと思います。
上記記事には書いてありませんが、市場に居続けるためには、ポートフォリオ全体のリスクを自分の許容範囲内におさめておくことが重要です。ポートフォリオのリスクは感覚ではなく、数字で把握することです。
ネットにはリスクを数字で把握できる無料のツールが公開されています。私が愛用させていただいているのが、ファンドの海さんの「アセットアロケーション分析」です。各資産クラスの期待リターン、リスク、相関係数は所定の数字が入っていますが、自分の考えに合わせて手動で変更できるところが良いです。ここにない資産クラスも、期待リターン、リスク、相関係数のデータさえあれば、ポートフォリオ全体のリスクを計算することができます。
他にもネット上にはたくさんあるようですので、自分に合うツールを使って、ポートフォリオのリスクを自分の許容範囲内におさめておきましょう。そしてお金を取り崩すことが必要になるまで、何があってもバイ&ホールドです。
※上記の情報はバイ&ホールド戦略の投資家向けのものであり、デイトレード等、投資法によっては反対の手法が良いこともありえます。言わずもがなですが、投資判断は自己責任でお願いします。
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