24年ぶりの円安急進でソニー銀行の外貨預金が大幅増。今からでも外貨預金をした方がよいのか

水瀬ケンイチ

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24年ぶりの円安急進と金利上昇で、ソニー銀行の外貨預金の残高が大幅増加しているそうです。今からでも外貨預金をした方がよいのでしょうか。

円安・金利上昇で外貨預金の残高が大幅増…これから投資するのはアリ? | 資産運用・経済 - Mocha(モカ)

外国為替市場で円安が急速に進むなか、注目を集めているのが外貨に投資する外貨預金。実際、銀行では外貨定期預金の残高が急増しているそうです。でも、果たしてこのようなマーケット下で外貨預金や外貨建ての商品に投資しても大丈夫なのでしょうか。


詳しくは上記のMocha(モカ)の記事をご覧いただきたいのですが、無理やり要点をまとめると、今後は平均回帰の円高による損失を被る可能性もあり、「外貨」の必要性は薄いが「海外資産」への積み立て投資は大切とのこと。

これは、世界中の株式に分散されたインデックスファンドへの積み立て投資を実践している私自身の考えと非常に近いです。

本来、外貨預金をするなら、円高のうちにやっておくべきでした。同じ金額の円で多くの外貨と交換することができて有利だからです。現在のような24年ぶりの円安水準みたいな状況になってからあわてて外貨を持っても、不利な条件でしか交換できず既に手遅れの可能性があります。

株式投資もそうなのですが、暴落が来てから保有資産のリスク水準のチェックやリバランスをしだしてももう既に手遅れであり、保有資産のリスク水準のチェックやリバランスは上げ相場の時にこそ、済ませておくべきものです。今の外貨預金残高の大幅増加を見ていると、それと似た手遅れ感を感じます。

もっとも、為替相場の動向を予測することは極めて難しく、これからさらにドル円が円安方向に下押しする可能性もなくはありませんので、確実に手遅れとも言い切れません。

どうしても今からはじめるとしたら、為替動向(さらなる円安)に賭ける外貨預金ではなく、世界経済の拡大再生産やプラスの期待リターンが見込めるリスク・プレミアムに賭ける全世界株式の積み立て投資、つまりインデックス投資がベターだと思います。

相場予測をしないインデックス投資に買い時はありません。相場に関係なく定時定額で淡々と積み立てて長期保有する方法です。

全世界株式のインデックスファンドを持つということは、全世界の企業の株式を現地の通貨で持つことと同義です。外貨預金などしなくても保有金額の約95%を自動的にドルやユーロなどの外貨で持っていることになります。

ちなみに、私が積み立て投資している全世界株式インデックスファンドの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の組入上位通貨を、最新の目論見書で確認したところ、以下のとおりです(2022/4/28時点)。

①米ドル 61.7%
②ユーロ 7.6%
③円 6.2%
④英ポンド 3.8%
⑤カナダドル 3.2%
⑥香港ドル 2.9%
⑦スイスフラン 2.6%
⑧豪ドル 2.0%
⑨ニュー台湾ドル 1.6%
⑩インドルピー 1.5%

ファンドの基準価額は円ベースで表示されますが、ファンドを通じて上記の通貨を持っているのと同じです。外貨預金と同様に、円安になればその分利益が出て、円高になればその分損失が出ます。

しかしながら、全世界株式の期待リターンは為替のそれよりも高い。というか、円ベースの全世界株式の期待リターンは為替リスク込みということになっています。外貨のみと違い、長期ではプラスの方向性が期待できると考えています。

もちろん、株式の相応に高いリスクを取ることになるので、自分が許容できるリスク水準におさまる金額に投資額を抑える、もしくは、資産配分の株式:債券の割合を株式少なめに抑えるといった配慮は必要ですが。

個人的には、為替リスクは海外のビジネス(株式や債券など)への投資に勝手についてくるおまけみたいなものだと考えており、しぶしぶ受け入れています。べつに為替で儲けようとしているわけではありません。

ドル円相場の円安急進がきっかけで、いま外貨預金をはじめようかなと考えはじめたかたは、目線をすこしだけ高くして「外貨」から「海外資産」に目を向けてみることをおすすめします。


※言わずもがなですが、投資判断は自己責任でお願いします。

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