仕組み債をメガバンクや地銀がようやく販売停止
水瀬ケンイチ

苦情が相次ぐ「仕組み債」について、三井住友銀行や千葉銀行が販売停止に踏み切ったと日本経済新聞が報道しています。
高い利回りが見込めることを売り文句にした仕組み債について、三井住友銀行や千葉銀行が販売停止に踏み切りました。今後も販売を辞める銀行や証券会社が増えそうです。仕組み債とはどんな商品なのか。なぜ、販売を停止するのか。分かりやすく解説します。そもそも仕組み債とは?債券の一つですが、国が発行する国債や企業が発行する社債とは全く異なります。オプション取引という金融派生商品(デリバティブ)を使い、複雑な
詳しくは上記の日経記事をご覧いただきたいのですが、なぜ販売をやめるのかというと、仕組み債をデリバティブと知らずに購入し損失を出した顧客とトラブルになるケースが後を絶たないからとのこと。
上記記事によると、販売を停止する金融機関は以下のとおり。
全面的に販売停止 : 三井住友銀行・千葉銀行
一部販売停止 : 横浜銀行・広島銀行
新規勧誘を一部停止 : みずほ証券
積極的な勧誘を控える : SMBC日興証券
仕組み債については、ブログ記事で何度か取り上げたとおり、個人的に金融当局が販売規制すべき地雷商品だと主張してきたので、ようやくかという印象です。
地雷である「仕組み債」は販売規制すべき。投資家も踏まないように気をつけよう
金融庁と証券取引等監視委員会は苦情が相次ぐ「仕組み債」について、メガバンクや地域銀行、証券会社などの販売実態を総点検するとのこと。高リスク「仕組み債」重点検査へ 金融庁・監視委金融庁と証券取引等監視委員会は苦情が相次ぐ「仕組み債」について、メガバンクや地域銀行、証券会社などの販売実態を総点検する。安全なイメージの強い債券にもかかわらず、デリバティブ(金融派生商品)を組み込んだハイリスク商品で、数千...
仕組み債販売停止の流れは今後、他の金融機関にも拡大しそうですが、インデックス投資家御用達の主要なネット証券でもまだまだ販売されています。
投資家が取ったリスクが応分のリターン向上に資するフェアな金融商品は他にいくらでもあります。投資家は「自分が理解できないものには投資しない」という投資の大原則を守り、仕組み債には十分気をつけてほしいと思います。自戒を込めて。
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