東証がPBR1倍割れ企業にメスを入れるとのこと。どんどんやってほしい
水瀬ケンイチ

インデックス投資ブログですが、たまには個別株の話をば。東京証券取引所がPBR1倍割れ企業にメスを入れるとのこと。どんどんやってほしい。
PBR(株価純資産倍率)1倍割れという状況は、その企業の活動を停止して(解散して)、資産を分けた方が株主が儲かる状態と言われています。いわゆる「異常事態」です。
東証によると、1837社(22年7月時点)のプライム上場企業のうち、50%の922社のPBRが1倍を割っている。
問題なのは、時価総額が大きい大型株も状況はほぼ変わらない点だ。TOPIX500構成銘柄のうちPBR1倍割れは43%と、米S&P500種株価指数(5%)や欧州ストックス600(24%)よりはるかに高い。
(「パンドラの箱」開けた東証 PBR1倍割れにメス: 日本経済新聞より引用)
フィデリティ投信やストラテジックキャピタルは「PBR1倍割れ企業には改善計画の開示を求め、継続して改善がみられないプライム企業はスタンダード市場への移行を求めるべきだ」と主張しているとのこと。
至極真っ当な意見だと思います。
日経新聞は「パンドラの箱を開けた」などと仰々しく報道していますが、投資家から見れば、なぜ今まで何十年もPBR1倍割れ企業が、東証一部に多数放置されてきたのかが甚だ疑問です。さっさとやれと言いたい。
先日、「新しいNISA」の制度が確定しました。非課税制度が大幅に拡充され、非課税期間が無期限化されました。称賛とともに、今後の個人の資産形成への活用が期待されています。(該当記事はこちら)
ところが、NISAだと全世界株や米国株への投資が主流なので、日本の投資家の資金が海外に流れ、日本国内に資金が還流しないではないか云々と恨みごとをいう向きもあるようです(どこから目線なんだろう?)。
それは枝葉末節の話で本質的ではありません。NISAの人気商品がどうこうよりも、そもそも日本株が海外株よりも高いリターンをあげれば、日本人がなにもしなくても世界中の投資家から勝手に資金が日本株に集まるはずです。
長年、世界中の投資家からの期待が低く、それが現在の日本株の株価に織り込まれている状況です。であれば、日本株の低い期待を少しでも上回る改善傾向が実際に見られれば、株価はぐっと上がる余地があると思います。
日本企業には、株主に入れてもらった資金をもっと有効活用して稼ぐ力の向上を目指してがんばってほしいと思います。東証には市場再編した責任を果たし、目に見える成果を出してほしい。
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