【全世界株式】低コストインデックスファンド徹底比較(22年12月末)

水瀬ケンイチ

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「低コストインデックスファンド徹底比較」シリーズ記事として、全世界株式クラスの主要なインデックスファンドについて、2022年12月末で比較しました。

※当シリーズ記事の説明書きとして、まずは『新シリーズ!「低コストインデックスファンド徹底比較」開始。まずは説明書き』をぜひご覧ください。

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全世界株式クラスの比較対象インデックスは、「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」と「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」です。日本を含む全世界株式と日本を除く全世界株式に分かれます。

全世界株式クラスのインデックスファンドは、これ1本で、もしくは日本株式クラスのインデックスファンドと組み合わせて、かんたんに世界の株式時価総額比率(世界市場ポートフォリオ)で投資することができるので、資産配分に納得ができればとても便利です。

日本を含む全世界株式クラスでは、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」(運用会社:SBIアセットマネジメント)が信託報酬年0.1102%、実質コスト年0.12%、1年リターン -5.24%と相対的に高評価でした。

ただ、インデックスの差異が -1.7%と大きく出ており(要因は投資先ETFのトラッキングエラー等)、過去の比較において半年以上、1年リターンがライバルファンドと比べて異様に低かったのですが、今回は逆に1年リターンが最も高いリターンとなりました。

このSBI・全世界株式インデックス・ファンドの運用が不安定と見る向きには、次点の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(運用会社:三菱UFJ国際投信)が、インデックスとの差異 -0.2%、3年リターン +10.94%と相対的に高評価で手堅いかもしれません。

新規設定された「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」(SBIアセットマネジメント)は、自社に同じ資産クラスの「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」が既にあるにもかかわらず新たに設定されたファンドなので、なにか違いが出てくるのか興味があります。なお、第1期の運用報告書が出るまでは「参考」扱いとします。

同様に、新規設定された「Smart-i Select 全世界株式インデックス」(りそなアセットマネジメント)は、第1期の運用報告書が出るまでは「参考」扱いとします。

日本を除く全世界株式クラスでは、「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」(運用会社:三菱UFJ国際投信)が、信託報酬 年0.1137%、実質コスト 年 0.17%、インデックスとの差異 ±0%(素晴らしい!)、1年リターン -5.64%、3年リターン年率 +11.31%と全評価項目で1位の高評価でした。

調査時点(2022年12月末)で純資産残高1962億円で、500億円、1000億円以上になった場合に段階的に発動する「受益者還元型信託報酬」の対象ゾーンに突入しています。元の信託報酬年0.1144%を加重平均して年0.1137%と表示しています。今後は信託報酬が年0.1133%に向かってさらに下がっていくでしょう。

新規設定された「Smart-i Select 全世界株式インデックス(除く日本)」(りそなアセットマネジメント)は、第1期の運用報告書が出るまでは「参考」扱いとします。

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日本株式クラス、先進国株式クラス、新興国株式クラスのインデックスファンド3本を株式時価総額比率(世界市場ポートフォリオ)で組み合わせるのと、全世界株式インデックスファンド1本だけ持つのとで、運用コストはほぼ同じとなります。リスク資産は「もうこれ1本でいい!」というインデックス投資家が増えてくるかもしれません。インデックスファンドの「ファイナル・アンサー」の香りがします。

いろいろありますが結論。

全世界株式クラスの主要なインデックスファンドについて、2022年12月末で比較した結果、日本を含む全世界は「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」、日本を除く全世界は「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」が相対的に高評価でした。


低コストインデックスファンド徹底比較のカテゴリです。主要なアセットクラスのインデックスファンド比較情報を、定期的に更新しています。



<ご参考1>
上記の高評価インデックスファンドは、以下のネット証券で購入できます。会社名をクリックで口座開設できます(無料)
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SBI証券

<ご参考2>
本ブログ記事は、私が過去に執筆・監修した書籍に掲載したおすすめインデックスファンド情報のアップデート版という意味もあります。今後も定期的に継続していく所存です。

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Posted by水瀬ケンイチ