新しいNISAについての誤解が多すぎる!?
水瀬ケンイチ

新しいNISA制度についてはあちこちで解説がされていますが、断片的な情報だからか、さまざまな誤解が生じているようです。
詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、むりやりまとめると以下の10個もの誤解があるそうです。
- 今の一般NISAは株式投信なら何でも投資できるし個別株も対象。成長投資枠も同じ
→成長投資枠には諸条件あり - 成長投資枠でつみたてNISAの商品が買えない
→つみたて投資枠と同じ商品を成長投資枠で買うこともできる - 毎月必ず積み立てするのってお金がないときはきつい
→年2回以上の買い付けなら積み立てとみなしてくれる - 1800万円の生涯投資枠、うち成長投資枠だけを使うなら上限は1200万円。差し引きするとつみたて投資枠は600万円
→つみたて投資だけで1800万円使える - 保有商品が長期で値上がりしたら、1800万円を超える人は多そう
→生涯投資枠は投資元本ベース。運用益がどれほど増えてもすべて非課税 - 生涯投資枠は売れば枠が復活するので1000万円売れば1000万円分の枠が空く
→投資元本が800万円でそれが1000万円に増えたのなら、復活するのは800万円。あくまで元本ベース - 翌年に800万円復活するなら、その年は800万円分買える
→年に最大360万円という年間枠の方が優先される - 非課税での短期の回転売買がし放題
→枠が復活するのは売却の翌年なので、過度の回転売買はできない - 現在のNISAを使ったら、その分は1800万円の枠から引かれちゃう
→現在のNISAで投資した元本は1800万円とは別枠。つまり現在のNISAでなるべく多く投資した方が非課税枠は多く使える - すでにNISAを始めている人でも、統合NISA開始時は新たな口座開設手続きが必要
→現在のNISA口座がある金融機関で統合NISAを続ける場合、口座の新規開設の手続きは必要なく、自動的に24年から、つみたてNISA枠と成長投資枠を持つ統合NISAの口座が開設される
いろいろな誤解が生まれているんですね。
今後新たに始まる制度については、まず制度元の一次情報(新しいNISAなら金融庁の情報)にあたった上で、利用している金融機関に実際どうなのかを確認するのがよいと思います。
いくら日経新聞といえども二次情報ですし、制度上は可能なことでも、金融機関によって対応が異なる場合があるからです。
私がどう対応するかについては以下のブログ記事にまとめてあります。いち個人投資家の考えであり、ご参考になるかわかりませんがどうぞ。
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