最近のさわかみファンドはどうなのか

水瀬ケンイチ

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日本経済新聞にさわかみ投信創業者による「冬の時代を迎えるインデックス投資」というコラムが掲載されています。


詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、要旨をむりやりまとめると、インデックス運用は中身は玉石混交で、金利上昇局面ではゼロ金利に甘えてきた企業の多くがマーケットから退出する寸前まで足を引っ張り、インデックス運用の成績悪化につながる。われわれのアクティブ運用からは大きく引き離されよう、とのこと。

独立系投信の雄として飛ぶ鳥を落とす勢いだった「さわかみファンド」について、そういえば最近、情報をあまり見かけなくなっていました。そこで、運用実績を確認してみました。

さわかみファンド 1年チャート
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さわかみファンド 3年チャート
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さわかみファンド 5年チャート
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さわかみファンド 10年チャート
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直近10年を見る限り、日経平均とあまり変わらないというか、少し下回っているというか、寂しい限りです。設定来で見れば悪くないものの、直近10年では「昔はよかったんだけど」という平凡な運用実績に収れんしているように見えます。

いやいや、さわかみファンドは目論見書上はグローバル型なので日経平均との比較は不適切だというご意見もあろうかと思い、ためしに全世界株式インデックスと比較してみたところ、あまりにも差があったのでここで取り上げることは控えます。

日経新聞のコラムでは時節を捉えて日本経済が置かれた状況、投信業界の課題、今後のあるべき姿などを的確に分析してくれますが、肝心の運用実績が伴っていないのが最近のさわかみファンド。

厳しい言い方をすれば、今後のインデックス運用の心配をする前に、自社ファンドの運用の心配をした方がよいのではないかと思います。

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Posted by水瀬ケンイチ