【速報】三菱UFJ国際投信ブロガーミーティング(2023年1月25日開催)

水瀬ケンイチ

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本日2023年1月25日、三菱UFJ国際投信主催のブロガーミーティングに参加しました。

登壇者は、山崎元氏(経済評論家・株式会社マイベンチマーク代表)、小松原宰明氏(イボットソン・アソシエイツ・ジャパンCIO)、代田秀雄氏(三菱UFJ国際投信常務取締役)の3人。

昨年体調を崩された山崎さんが思いのほかお元気そうで、これはイベント時間内(60分)にはおさまらないだろうなという予感を抱きつつ、スタートしました。

1.新春放談会

まず、2024年開始の「新しいNISA」について、非課税期間の恒久化、非課税枠の金額も大きくなった。成長投資枠で儲けたい金融機関のロビー活動があって非課税金額が思いのほか大きくなった面があるので、「下品な資本主義経済がたまには役に立ったケース」(山崎)

現行NISAをまだ始めていない人は、今年2023年のうちに使っておけば、新しいNISAとは別枠で非課税枠が増える(一般NISA120万円 or つみたてNISA40万円)(代田)

成長投資枠といってもなんでも投資できるわけではなく、毎月分配型商品、レバレッジを使っている商品、信託期間20年以下という商品は対象外になる。みんなお金を効率的に増やしたいのだろうから、つみたて投資枠の商品をそのまま成長投資枠で投資するのがよいだろう(山崎)

非課税という有利な器をできるだけ大きく使い、NISA以外も含めて全体を考える。そうすると論理的に答えはひとつになる。よく年金基金でコア&サテライトという考え方があるが、平均するとアクティブ運用よりもインデックス運用の方がよいからコアになっている。わざわざサテライトをつける必要はない。

年金運用でアクティブ運用を一切やらないと担当者が金融機関に構ってもらえず暇になってしまうからやっているようなもので、個人がまねするようなものではない。非効率とわかって好きなものに投資したいのならどうぞご勝手に。

360万円の年間非課税枠にどんどんお金を移していけばいい。端的に言って全世界株式のインデックスファンドをすべての枠に対して投資していくのがファーストアンサーであり、ファイナルアンサーである。成長投資枠だからといって、なにか違うことをする必要はない。「成長投資枠に騙されるな」がキャッチフレーズ(山崎)

年金基金の運用方針が個人に役立つことは。キャッシュアウトしていく基金の投資方針と、給料でこれから20~30年積み立てる個人の投資方針とは違うのではないか(代田)

アセットアロケーションだけでなく、アセットロケーションが重要。NISA口座と一般口座に何をどれだけ置くか。株式のように収益率が高いものをNISA口座に置いておくのが有利。この考え方が根付いてほしい。全世界株もいいが、個別株を自分で組み合わせて長期保有すれば信託報酬はかからない(小松原)

個人的には趣味としての個別株投資によるポートフォリオ作りを伝えたいが、運用が趣味でも仕事でもない人は低コストなインデックスファンドを持っているのがたぶんよい。個別株投資で家庭菜園を作り、土壌がよい新しいNISAの成長投資枠で育てるのも悪くない(山崎)

キャッシュアウトが続く年金基金よりも個人の方がリスクを取りやすいと思う(代田)

年金基金の投資資産のアセット・ライアビリティはカチっと決まっていて、払うべきものは払わなければならない。個人はカチっとしなくてもよく、お金が思ったより減ってしまったら節約すればよいだけのこと。投資資産だけでない人生全体のアセット・ライアビリティを考えればいい(山崎)

~ここで第1部は時間切れ~

2.質疑応答

Q.インデックスファンドの信託報酬で業界最低水準を目指すという方針に変更はあるのか。TVCMを流してお金の使い方が派手では?
A.信託報酬を上げる行為は難しい行為となる。S&P500のインデックスファンドでは他社の方が安いケースがあると指摘されるが、消費税控除前のコストで考えている(代田)
TVCMはやった方がいいのでは。高コストなキモキモの金融商品だけでなく、まともな金融商品のTVCMも見たい(山崎)

Q.アクティブファンドはインデックスファンドに駆逐されてしまうのか?
A.アクティブファンドは悪ではない。運用側も受益者側も超過リターンがほしい。しかし、超過リターンを狙えるアセットクラスとそうでないクラスがあり、事前に見極めるのは至難の業。5Pのような定性的な良さに一部ベットするのはよいのでは。すべてインデックスになったらプライシングの問題も出てくる(小松原)
よいアクティブファンドを事前に合理的に選ぶのは不可能。共感に金を払う人はいてもいい。アクティブファンドでなくても、個々の投資家がプライシングをしている。ブランド品のビジネスのように手数料を取りすぎている。もう少し安く上品にやったらどうか(山崎)

Q.新春の豊富は?
A.今年はとても大切な年になる。今までNISA制度に対して積極的でなかった金融機関が動き出す。より正しく公平な情報を提供したい。ブロガーにはご自身の考えを発信してほしい(代田)
前から申し上げているのは、お茶の間にアセットロケーション。これをきっかけにお茶の間で家族ともども話せるようになってほしい。(小松原)
資産運用のビジネス、情報提供のビジネスは今までよりワンサイズ大きくなる。投資家はリテラシーを高めなくてはならない。お茶の間でキーになるのは50代。つみたてNISAは20~30代、一般NISAは60代だったが、50代はお金の扱いの影響がいちばん大きい。親のお金を見てあげてほしいし、子どもに初期設定を教えてあげてほしい。二世代運用のすすめ。(山崎)

案の定、60分ではおさまりきらず、予定時間をこえての配信となっていました。

新しいNISAについては、登壇者全員が好意的に受け止めていて、ぜひこれを活用してほしいというスタンスでした。つみたて投資枠と成長投資枠の二本立てとなりますが、成長投資枠の方に誤解と若干の怪しさがあるということで、話はそこが中心となりました。

つみたて投資枠も成長投資枠も同じ全世界株式インデックスファンドでよいというシンプルな結論に、非効率かもしれないが趣味としての個別株投資を一部でするのは悪くないという思いやりが付いた感じでした。

今回のブロガーミーティングは、2018年以来久々のリアルイベントとオンライン配信のハイブリッド開催となったとのこと。私はオンライン配信で参加しましたが、ハイブリッドは仕事や時間の調整があまり必要ではないので、気軽に参加できていいですね。

ブロガーミーティングを開催してくれた三菱UFJ国際投信さん、ありがとうございます。これからも勉強させていただきます。


※雑なメモと記憶を頼りにスピード優先で書いた速報ですので、一部表現が正確でない箇所があるかもしれませんが、なにとぞご容赦ください。

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Posted by水瀬ケンイチ