つみたてNISA丸5年でマイナスだったファンドは5本のみ
水瀬ケンイチ

少額投資非課税制度の「つみたてNISA」が2018年1月に始まってから丸5年が経ちました。その間、毎月末に3万3333円ずつ投資し続けていたらどうなったかというシミュレーション結果がありました。
詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、当初の対象ファンド140本のうち、5年間でマイナスだったファンドは5本のみで、ほとんどのファンドはプラスのリターンとなっていました。
つみたてNISA丸3年の時には、マイナスだったファンドは1銘柄のみで、「東京海上・円資産インデックスバランスファンド」(愛称:つみたて円奏会)でした(該当記事)。丸5年の今回もやはりマイナスとなっています。ファンド全体の価格変動リスクを一定程度に維持することを目的として配分比率を変動させるアクティブファンドですが、なかなかうまくいかないようですね。
他のマイナス4本はいずれも国内債券を多く組み入れたバランスファンドで、足元の世界的な金利上昇(債券価格の下落)が不利に働いたようとのこと。とはいえ、国内債券クラスはリスク(ボラティリティ)が小さいので、マイナス幅も小さく済んでいます。
一方、ほとんどのファンドはプラスのリターンが出ています。リターン上位のファンドは米国株や先進国株のインデックスファンドが入っています。日本株のファンドもなかなかのリターンが出たようです。
まあ、つみたてNISAの非課税期間は20年間あり、長期投資のための器です。投資家は資産形成の道の途中だと思いますので、丸3年とか丸5年時点とかの実績がどうだろうとあまり意味はないのですが。
上記の5年間のシミュレーションも、その商品を積み立ててずっと保有し続けた場合の話です。コロナショックなどの下げ相場で売却してしまったとしたら、損失が確定し、おそらくプラスにはならなかったと思います。「継続は力なり」です。
来年2024年からは非課税期間無期限の新しいNISA制度が始まります。いま以上に継続が力となるでしょう。
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