山崎元氏による「新NISAの論理的に正しい唯一の活用法」と守るべき投資の大原則
水瀬ケンイチ

トウシルに山崎元氏による「新NISAの論理的に正しい唯一の活用法」という記事が掲載されています。
広告収入をあてにしなければならないマスメディア媒体や、不正確な知識でも専門家のようにふるまわなけれならない「大人」に、まったく忖度しない山崎節が相変わらずスカッとします。
内容は昨年12月にブログにまとめた「山崎元氏が考える「新しいNISA」の使い方とは」と同じで、①大きく使う、②ベストな対象のみに投資する(成長投資枠でもつみたてNISA枠と同じ商品に投資する)というものです。
もっと具体的には、(1)できるだけ早くNISA口座に資産を集めて、(2)全世界株式のインデックスファンド1本で運用するだけ。シンプルで強力な結論です。株式等リスク資産への投資部分に関しては、新しいNISAは最高のお金の置きどころになるでしょう。
私があえて補足するとするならば、「投資は自分のリスク許容度の範囲内で」という守るべき投資の大原則です。
新しいNSIAは生涯投資枠が1800万円と高額なので、非課税制度枠をMAXまで使おうとすると、自分のリスク許容度を大幅に超えてしまうケースが相当出てくるだろうと思います。非課税枠を埋めようとするあまり、値動きに耐えられないほどのリスク資産を持ってしまうのは本末転倒です。
運用資産全体のリスクを下げる方法は、投資金額を抑えること、もしくは、資産配分の株式比率を抑える(債券比率を高める)ことのいずれかです。
ネット上には資産全体のリスクを計算できる無料の分析ツールがたくさん公開されています。最大で年間何円(何パーセント)損する可能性があるのか、数字で把握しておくとよいです。私が愛用しているのは「ファンドの海」さんのアセットアロケーション分析ツールです。
今までのNISAと同様に、制度の利用に際して大切なことは、「非課税で最も得する方法」を考えることではなく、「自分の投資法にどのように活かせるか」を考えることだと思います。
インデックス投資を20年以上続けてきた中で、市場の平常時にリスク許容度を超えた運用をしていて、暴落時に一発退場して二度と戻ってこなかった投資家たちをたくさん見てきました。決してご無理なさらず。
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