ニッセイ基礎研に資産形成でやってはいけないことのまとめ
水瀬ケンイチ

ニッセイ基礎研究所のレポートに「資産形成でやってはいけないこと」がまとめられています。資産形成に向いている商品と向いていない商品のめずらしい一覧表もありましたので取り上げたいと思います。
詳しくは上記レポートをご覧いただきたいのですが、要旨をむりやりまとめると、ギャンブル(賭け事)、株式のデイトレード、FX取引の短期売買等短期取引、暗号資産(仮想通貨)、美術品、NFT、投資商品の個別銘柄投資は資産形成に向いていないとのこと。
けっこうバッサリ斬っていますね。
理由としては、ギャンブル(賭け事)等は、参加者それぞれが期待できる利益がマイナスになるから、株式のデイトレード、FX取引の短期売買等短期取引は、参加者それぞれが期待できる利益がゼロであるから、暗号資産(仮想通貨)、美術品、NFT等は、本質的な価値も将来の価値も良く分からない投機商品だから、投資商品の個別銘柄投資はプロやベテラン向けだからとしていました。
ニッセイ基礎研のレポートでは、参加者全員の持ち分の合計が増える「プラスサム」の商品をよしとしていて、参加者全員の持ち分の合計がゼロの「ゼロサム」および参加者全員の持ち分の合計がマイナスの「マイナスサム」の商品は資産形成に向かないと酷評しています。
プラスサム、ゼロサム、マイナスサムの商品一覧表があったので、引用しておきます。
プラスサム、ゼロサム、マイナスサムの考え方の説明はよくありますが、実際の商品を分類した一覧表はめずらしいと思います。
個人的には、判断のポイントは期待できる利益、すなわち「期待リターン」がプラスかどうかだと脳内で変換して読んでいました。
プラスの期待リターンが見込める金融商品は割と少なく、資産運用の定番商品である株式、債券、REIT、預貯金くらいです。昔、ゴールドの期待リターンもプラスだという説も見たことがあり、そうかもしれませんが、その節でもコモディティは資産の一部(数%以下)にとどめておくべきとされていました。
当ブログがおすすめしているインデックス投資は、世界中の株式や債券に分散したインデックスファンド等を積立投資して長期保有する投資方法です。上記の一覧表に照らしても、資産形成に向いているといえるでしょう。
なお、上記はすべて「資産形成で」という枕詞が付いています。資産形成のためではなく、趣味や遊びでやる分には、ギャンブルでもFXでも暗号資産でもなんでも好きなようにやったらよいと思います。
▼不肖水瀬のインデックス投資本です。

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