米国は毎年どのくらい金融機関が破綻しているものなのか
水瀬ケンイチ

米国シリコンバレーバンク(SVB)の破綻で蜂の巣をつついたような大騒ぎですが、SVBなど2行の全預金は保護されるとのこと。
SVBは債券運用(不動産担保証券=MBS)で、本業を吹っ飛ばすほどの損失を出した模様。
FRB(連邦準備制度理事会)が政策金利をどんどん引き上げています。通常の債券は金利が上がると価格は下がり、金利が下がると価格は上がるシーソーの関係にあります。
これだけ断続的に金利が上がり続けると、債券運用は苦しい。ましてや、MBSは金利の上昇局面では価格が通常の債券よりも大きく下がる性質があるため、余計に苦しい思います。
ただ、損失で己が潰れるほどMBSに投資するなよというところ。
全預金が保護されるものの、たて続けに米銀2行が破綻したので、そもそも米国は毎年どのくらい金融機関が破綻しているものなのか調べてみました。

上記は預金保険機構のデータで、米国金融機関の破綻件数推移です。直近2年は0件。ただ、その前を見ると、10年前の2012年は51件、2010年は157件とさらに多くの金融機関が破綻しています。潰れる時は潰れる。SVBは割と大きめの銀行だったようですが、金融機関が破綻すること自体はめずらしいことではないようです。
今回、米国金融当局は全預金保護により早めの事態収束を図っているようですが、今後、金融機関の破綻が連鎖しないことを祈ります。
以下は蛇足です。
個人的な投資の話をすると、運用資産の約3割を占める債券クラスについて、金利変動で元本が変動しない特性を持つ「個人向け国債 変動10年」に投資しており、金利上昇の直接的な悪影響を受けません。むしろ、金利上昇により変動金利の利子が増えています。
所定の資産配分を維持しつつ、毎月の積み立て投資も通常どおり継続中です。
※言わずもがなですが、投資判断は自己責任でお願いします。
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