個人事業の開業届はご慎重に
水瀬ケンイチ

会社員のかたが副業で少し稼げるようになると、個人事業の開業届を出そうか悩むかたがいらっしゃると思います。かつての私もその一人でした。
開業届を出して個人事業主になると、最大65万円(55万円の場合あり)の青色申告特別控除が受けられます。課税所得を下げることができるため、収入からあれこれ引かれた末に手元に残るお金が増えます。ただし、デメリットもあります。
上記記事で指摘されているデメリットは以下の2点です。
・本業を退職したときに失業保険が受けられない
・健康保険の扶養から外れる
特に、本業の会社を退職したときに失業保険が受けられない点については、あまり知られていないように思います。過去にはSNSでこの話をちょこっとしたところ予想外に反響があり、荒れたりしたこともありました。
「ええ!? 知らなかった!」
「端金のためにセーフティーネットを捨てる行為」
「廃業届を出してから会社を退職すれば問題ない」
「リストラされる時にそんな余裕はない」
「会社員で開業届を出していても失業手当が出た事例もあるだろ」
「本業がサラリーマンなら問題ないのでは」
みたいな感じで、理屈と現実(と願望)のはざまで情報が錯綜して荒れたりするので、あまり取り上げたくない案件ではあります。
開業は投資以上に自己責任です。メリット・デメリットの両面を検討した上で開業届を出すのであれば、なんら問題ないことだとは思います。いざ退職する段階になって知らなかった!というのだけは避けたいところですね。
米国シリコンバレー銀行やクレディ・スイス破綻の話ではありませんが、いつ勤務先の会社が経営破綻したり、リストラされたりするかわからない時代ですので、個人事業の開業はご慎重に。
サラリーマン副業の方々が開業届けをバンバン出しておられますが、個人事業主になると失業時に失業手当の対象外になるけど大丈夫なのだろうかと心配になります。メリット・デメリットの両面を検討した結果の判断であることを祈ります。
— 水瀬ケンイチ (@minasek) February 17, 2021
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