【新興国株式】低コストインデックスファンド徹底比較(23年3月末)
水瀬ケンイチ
「低コストインデックスファンド徹底比較」シリーズ記事として、新興国株式クラスの主要なインデックスファンドについて、2023年3月末で比較しました。
※当シリーズ記事の説明書きとして、まずは『新シリーズ!「低コストインデックスファンド徹底比較」開始。まずは説明書き』をぜひご覧ください。

新興国株式クラスの比較対象インデックスは、「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」もしくは「FTSE エマージング・インデックス」です。中国、台湾、インド、ブラジルなどの新興国の株式に分散投資するインデックスです。
比較の結果、「SBI・新興国株式インデックス・ファンド【愛称:雪だるま(新興国株式)】」(運用会社:SBIアセットマネジメント)が信託報酬年0.1760%、実質コスト年0.20%、1年リターン -2.54%と相対的に高評価でした。
ただし、インデックスとの差異では、配当含むインデックスに連動するインデックスファンドであるにもかかわらず、+3.9%という異常値が出ています。
運用報告書によると、理由は投資先ETFのトラッキングエラー(パフォーマンスの乖離)、ファンドとベンチマークにおいて適用される配当税率の差異とのこと。税率の差異はともかく、トラッキングエラーはプラス方向だけでなくマイナス方向に振れる可能性もあることから要注意です。
今回は、「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」や「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」のようにベンチマークのインデックスが「FTSE エマージング・インデックス」連動のファンドが、他の「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」連動のファンドよりもリターン実績が良く出ています。
韓国株を含む(新興国扱い) MSCI よりも、韓国株が含まれない(先進国扱い)の FTSE の方が高パフォーマンスだったようです。
「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」は5月11日から信託報酬を引き下げると発表しています。「たわらノーロード 新興国株式」も4月7日から信託報酬を引き下げています。いずれも、次回、2023年6月末の比較から反映予定です。
原資産である企業の株式から配当が出てくるにもかかわらずベンチマークに「配当除く」インデックスが設定されているインデックスファンドが表下部にまとめてあります。これらはインデックスとの差異が大きく、インデックスとの連動を目指すインデックスファンドとして馴染まないため評価を下げています。
いろいろありますが結論。
新興国株式クラスの主要なインデックスファンドについて、2023年3月末で比較した結果、「SBI・新興国株式インデックス・ファンド【愛称:雪だるま(新興国株式)】」が相対的に高評価でした。
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本ブログ記事は、私が過去に執筆・監修した書籍に掲載したおすすめインデックスファンド情報のアップデート版という意味もあります。今後も定期的に継続していく所存です。
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