【全世界株式】低コストインデックスファンド徹底比較(23年3月末)

水瀬ケンイチ

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「低コストインデックスファンド徹底比較」シリーズ記事として、全世界株式クラスの主要なインデックスファンドについて、2023年3月末で比較しました。

※当シリーズ記事の説明書きとして、まずは『新シリーズ!「低コストインデックスファンド徹底比較」開始。まずは説明書き』をぜひご覧ください。

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全世界株式クラスの比較対象インデックスは、「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」と「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」です。日本を含む全世界株式と日本を除く全世界株式に分かれます。

全世界株式クラスのインデックスファンドは、これ1本で、もしくは日本株式クラスのインデックスファンドと組み合わせて、かんたんに世界の株式時価総額比率(世界市場ポートフォリオ)で投資することができるので、資産配分に納得ができればとても便利です。

日本を含む全世界株式クラスでは、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(運用会社:三菱UFJ国際投信)がインデックスとの差異 -0.2%、1年リターン -1.19%、3年リターン年率 +23.03%と相対的に高評価でした。

調査時点(2023年3月末)で純資産残高9921億円で、500億円、1000億円以上になった場合に段階的に発動する「受益者還元型信託報酬」の対象ゾーンに突入しています。元の信託報酬年0.1144%を加重平均して年0.1134%と表示しています。

前回1位だった「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」の方が信託報酬、実質コストは安いのですが、1年リターン、3年リターン、5年リターンが相対的に低かったことと、インデックスとの差異に +1.5% という大きな異常値(要因は投資先ETFのトラッキングエラー等)が出ており、評価を落としています。ちなみに、前回は -1.7% というマイナス方向の大きな異常値が出ていました。どうも安定しません。

新規設定された「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」(SBIアセットマネジメント)は、自社に同じ資産クラスの「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」が既にあるにもかかわらず新規設定されたファンドなので、なにか違いが出てくるのか興味がありましたが、第1期運用報告書を見る限り、コスト的にもリターン的にもほとんど変わらない(むしろ少し悪い)という結果でした。今のところ存在意義が不明です。

同様に、新規設定された「Smart-i Select 全世界株式インデックス」(りそなアセットマネジメント)は、第1期の運用報告書が出るまでは「参考」扱いとします。

日本を除く全世界株式クラスでは、「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」(運用会社:三菱UFJ国際投信)が、信託報酬 年0.1137%、実質コスト 年 0.17%、インデックスとの差異 ±0%(素晴らしい!)、1年リターン -1.44%、3年リターン年率 +23.62%、5年リターン年率 +12.20%と全評価項目で1位の高評価でした。

調査時点(2023年3月末)で純資産残高2309億円で、500億円、1000億円以上になった場合に段階的に発動する「受益者還元型信託報酬」の対象ゾーンに突入しています。元の信託報酬年0.1144%を加重平均して年0.1137%と表示しています。

新規設定された「Smart-i Select 全世界株式インデックス(除く日本)」(りそなアセットマネジメント)は、第1期の運用報告書が出るまでは「参考」扱いとします。

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「eMAXIS Slim」シリーズは、5月11日から信託報酬をさらに引き下げると発表されています。「たわらノーロード」も4月7日から信託報酬を引き下げています。いずれも、次回、2023年6月末の比較から反映予定です。

日本株式クラス、先進国株式クラス、新興国株式クラスのインデックスファンド3本を株式時価総額比率(世界市場ポートフォリオ)で組み合わせるのと、全世界株式インデックスファンド1本だけ持つのとで、運用コストはほぼ同じとなります。リスク資産は「もうこれ1本でいい!」というインデックス投資家が増えてくるかもしれません。インデックスファンドの「ファイナル・アンサー」の香りがします。

いろいろありますが結論。

全世界株式クラスの主要なインデックスファンドについて、2023年3月末で比較した結果、日本を含む全世界は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、日本を除く全世界は「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」が相対的に高評価でした。


低コストインデックスファンド徹底比較のカテゴリです。主要なアセットクラスのインデックスファンド比較情報を、定期的に更新しています。



<ご参考1>
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SBI証券

<ご参考2>
本ブログ記事は、私が過去に執筆・監修した書籍に掲載したおすすめインデックスファンド情報のアップデート版という意味もあります。今後も定期的に継続していく所存です。

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Posted by水瀬ケンイチ