投信の運用コストの比較は信託報酬だけでなくその他費用を加えた「総経費率」を見ることが重要

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日本経済新聞に「投資信託、総経費率を見極め 海外資産型で年5%超も」という記事が掲載されています。


詳しくは上記記事をご覧いただきたのですが、無理やりまとめると、投信の運用コストの比較は信託報酬だけでなくその他費用を加えた「総経費率」を見ることが重要だという趣旨が書かれています。

投信ブロガーとしては昔から当たり前のことではありあますが、あらためて最近の情勢を含めて見てみます。

今月新登場した「Tracersオールカントリー」が格安の信託報酬で注目されましたが、運用上かかる一部の費用を信託報酬からその他費用に計上することにより、見かけ上の信託報酬を安くしているように見えることが、複数の有識者から指摘されています。信託報酬に含む費用の範囲が運用会社ごとに異なるという課題があぶり出されました。

また、ファミリーファンド方式の投信は自ファンドの信託報酬のみでマザーファンドの信託報酬はかからないのに対して、ファンド・オブ・ファンズ方式の投信はマザーファンドに相当する投資先のファンドと自ファンドで二重の信託報酬がかかる現状を、自ファンドの信託報酬だけではうまく表すことができないという課題がありました。

そこで、信託報酬にその他費用を加えた「総経費率」を見れば、同じ基準で投信のコストを比較できるというわけです。

 総経費率は正確には決算後にわかる。現在は運用報告書で開示され、購入時の目論見書では通常、信託報酬しか開示されていない。運用報告書で総経費率の実績をみておくことが重要だ。
 総経費率は来春からは購入時の目論見書でも参考情報として過去実績が開示される。大和アセットマネジメントは3月以降、原則、全投信の目論見書で先行開示を始めた。三菱UFJ国際投信も一部投信で先行開示したほか、低コストの投信シリーズ「eMAXIS Slim」の全てで7月以降、目論見書で総経費率を開示する。

投資信託、総経費率を見極め 海外資産型で年5%超も - 日本経済新聞


今でも運用報告書には総経費率は掲載されています。2024年4月からは目論見書にも総経費率が掲載されることが決まっています。信託報酬以外のその他費用は、毎年変動するので、決算を迎えてはじめてわかります。したがって、目論見書に掲載できるデータは1期前の過去データになるでしょう。

それでも、信託報酬だけに比べて、運用コストの比較で正確性が格段に高まるのは間違いないという上記記事の主張に賛成です。

なお、「総経費率」にさえ含まれない一部の費用(売買委託手数料、有価証券取引税など)は、今までどおり運用報告書の「1万口当たりの費用明細」で確認するしかなさそうです。

当ブログでは、引き続き「低コストインデックスファンド徹底比較カテゴリ」にて、信託報酬だけでなく、実質コスト(上記の用語に合わせると総経費率のこと)、インデックスとの差異、1年リターン、3年リターン(年率)、5年リターン(年率)という複数項目の合計点で、定期的(四半期ごと)に比較を行っています。

もし、運用会社が一部の指標を実態以上によく見せようと小細工をしても、比較項目のどこかに必ず異常値が出て網に引っかかるでしょう。今後も粛々と比較していきたいと思います。


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