個人向け社債は買うべきではない(と私は勝手に思っている)

水瀬ケンイチ

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日本経済新聞に個人向け社債に関する記事が掲載されています。


詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、クレディスイスが発行していたAT1債が無価値になったことをトリガーに、社債への投資について解説されていました。

しかし、私はAT1債だろうが普通の社債だろうが、個人投資家は個別企業の個人向け社債には投資しない方がよいと考えています。理由は以下のとおり。

①個別企業の信用リスクを的確に見積もれる個人などそうそういない
②格付会社の格付けも時として役に立たない
③流動性が低く自由に売買できない

①の個別企業の信用リスクについて話そうとすると、すぐに「じゃあお前は○○社が1年以内に倒産するとでも思っているのか?」という反論が出てくるのですが、ここで言っているのは、倒産かそうではないか、白か黒かの二元論ではなく、リスクに見合ったフェアな条件(金利)ではない可能性があるのでは?ということです。

②の格付会社についても、リーマン・ショックの原因となったゴミ(サブプライム・ローンを証券化したもの)に格付会社が軒並みAAAの格付けをつけていたことは、投資家が絶対に忘れてはいけない教訓だと考えています。

上記記事では、「投資する際は企業の破綻リスクを示す格付けなどを参考に、慎重に検討することが必要です」などと書かれていますが、格付会社の格付け自体が時として役に立たないことは強く意識したいところです。

③の流動性については、相対取引となるので取引する証券会社等によって取引価格が異なり、不利な条件で売買せざるをえない場合も文句は言えません。特に、途中売却する場合どうなるのか、一度お使いの証券会社を調べてみることをおすすめします。

以上の理由から、個別企業の社債には投資しない方がよいと考えています。これは10年以上前から言っていることで、今まで企業の破綻や社債関連のトラブルがあるたびに「ああ、投資していなくてよかった」と思うことが何度もありました。

発行企業の信用リスクを把握した上で、それでもなお個人向け社債の条件が魅力的だと考えるのならば、何も申しあげる事はありません。

ただ、ふだん分散投資、分散投資といっているインデックス投資家でも、社債となると金利に目がくらんで脇が甘くなり、いともかんたんに個別企業の社債に集中投資してしまう傾向があるように思います。ご注意あれ。





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Posted by水瀬ケンイチ