バブル後高値のニュースを見て口座再開の問い合わせ…
水瀬ケンイチ

日本株のバブル後高値を受けて、ネット証券で口座開設の増加や、眠らせていた口座再開の問い合わせがきているとのこと。
いつの時代も新たに始める新人はいるものだし、トレンドフォロー戦略、順張り戦略の投資家ならわかります。
しかし、つみたて投資等バイ&ホールド戦略の投資家が、コロナショックなどの下げ相場で一旦退場しておきながら、上げ相場で口座再開というのであれば、よく考えた方がよいと思います。
「敗者のゲーム」(チャールズ・エリス著)は、「過去72年間のうちベストの5日を逃すと、利益は半減してしまう」と指摘しています。有名なフレーズ「稲妻が輝く瞬間」の話です。
投資のタイミングは難しいのですが、ひとつだけ、「稲妻が輝く瞬間」を絶対に逃さない方法があります。それは、市場にとどまり続けることです。拍子抜けするかもしれませんが、実際にそうなのです。
暴騰を逃さないかわりに、暴落のダメージももろに受けます。だから、市場から退場してしまうほどの致命傷を負わないような資産配分にしておくことが必要です。慣れていない方は、時々、自分のリスク許容度の範囲内にポートフォリオのリスクが収まっているか、確認するといいと思います。
バブル後高値のニュースを見てから口座再開の問い合わせをしているようでは、稲妻が輝く瞬間に居合わせることはできません。本人は「安く買って高く売る」つもりが、実際は「高く買って安く売る」の形をなぞっているかもしれません。
過去はもう変えられませんが、今後の投資行動は変えられます。
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