ショック…セゾン投信が中野晴啓会長CEOを更迭!?
水瀬ケンイチ

セゾン投信は、創業者の中野晴啓会長CEOが退任する人事を5月31日の取締役会で決めたと明らかにしました。
いつも若々しく見える中野会長も御年60歳、いつかは第一線から離れる時期は来たのでしょうが、今回の退任発表で懸念されるのは「顧客本位で堅実な積み立てを目指す中野氏に対し、親会社クレディセゾンの林野宏会長がセゾン投信の投資信託の販売拡大を主張し、路線対立があった」とされる部分です。
上記報道によると、中野氏は「お客さまのために誠心誠意、職務を全うしてきたので不本意な退任だと思っている」と述べているのに対して、クレディセゾンは「コメントできることはない」とのこと。
セゾン投信は運用ファンドを長らく2本のみに絞り込み(現在は3本)、全国の顧客に積み立て投資の良さをていねいに啓発して回ってきました。多くのアクティブファンドが上げ相場で積極販売され、下げ相場では潮が引くように解約されていく中で、セゾン投信は積み立てを継続することの重要性を顧客に説き続け、純資産総額は減ることなく少しずつ増え続けてきました。
2014年に日本郵便の出資(持株比率40%)を受け入れたあとも顧客本位の直販を重視し、ゆうちょ銀行の窓口で他の取り扱い投信のようにセゾン投信をバンバン販売するようなことはしませんでした。他の金融機関が二の足を踏んだ「フィデューシャリー・デューティー宣言」を真っ先に行ったことも覚えています。
今となっては少しお高めの信託報酬も、中野氏の熱いメッセージ代込みということで受け入れられているのだろうと私は認識していました。
拙速な販売拡大は、純資産総額の増加だけでなく下げ相場での減少幅を拡大することにもなります。運用が安定しなくなるようなことがあれば、セゾン投信にとっても顧客にとっても痛手だと思われます。
今後、セゾン投信が功労者を更迭してまでやりたいことが単なるファンドの販売拡大で、いままで築いてきた顧客本位で堅実な積み立てという方針が覆るようだと、「セゾン号」から降りる乗客が続出するでしょう。
私が中野氏のファンであることを差し引いても、セゾン投信は数少ない良心的な金融機関だと思っているので、上記の懸念のようにならないでほしい。
中野さんが築き上げてきたセゾン投信がそんなことをするなんて信じられない。https://t.co/OxnbLOueI1
— 水瀬ケンイチ (@minasek) June 1, 2023
▼セゾン投信の公式発表です
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