株価がググっと上がってうれしくなった時には、プラスとマイナスを入れ替えて、同じだけ下がったら耐えられるかと自問自答する
水瀬ケンイチ

日米の株価がググッと上がってますね。良いことです。
だからといって投資戦略は変えません。余分に買い増ししたり逆に売却したりなどせず、今までと同様に、所定の資産配分で同じ金額を定期的に積み立てていくだけです。
しかし、何度でも、何度でも、何度でも、繰り返し伝えていきますが、予想外の大きな損失をくらって市場から一発退場にならないためには、「リスク許容度の確認」が重要です。
それは暴落が来た時ではなく、株価が好調な時に「こそ」行なうべきだと思います。株価がググっと上がってうれしくなった時には、プラスとマイナスを入れ替えて、同じだけ下がったら耐えられるかと自問自答することをおすすめします。
たとえば、株価が大幅に上がり、1日で資産が50万円増えた日には、「50万円も儲かった!ワーイワーイ!」と喜ぶだけでなく、「もし、50万円損したら耐えられるだろうか…?」と、逆の場合のことを考えてみるといった具合です。
これは、株価の動きが短期的にはランダムで正規分布するという前提で物事を考えるのであれば、平均値(ここでは期待リターン)をはさんで上にも下にも同じ幅で株価変動があっておかしくないという理屈に基づきます。
「そ、それはちょっと耐えられないな……」と感じるのであれば、それは運用資産が自分のリスク許容度を超えている可能性があり、投資金額を減らしたり、資産配分の株式比率を減らしたりといった調整が必要になります。
私が「100年に一度」と言われた大暴落である2008年のリーマン・ショックの時にも、夜ぐっすり眠れていたのは、投資額と資産配分が、自分のリスク許容度の範囲内だったことが大きいです。ちなみに、私も積み立て投資を続けているので、2008年当時よりも投資額がずっと増えています。ですので、時おり自分のリスク許容度を再確認しています。
考えるだけならタダです。取り返しのつかない大損をしてからでは遅いのです。予想外の大きな損失をくらって市場から一発退場にならないために、ぜひ株価が好調なときこそ「リスク許容度の確認」を。
もし、「同じ話を何度も書きやがって」と思われる方がいらっしゃったら、さすがです。重要なことが頭に入っているからこそ、私が何度も同じことを書いていると気づくのですから。
備えあれば憂いなし。勝って兜の緒を締めよ。市場でサバイブしましょう。

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