【新興国株式】低コストインデックスファンド徹底比較(23年6月末)
水瀬ケンイチ
「低コストインデックスファンド徹底比較」シリーズ記事として、新興国株式クラスの主要なインデックスファンドについて、2023年6月末で比較しました。
※当シリーズ記事の説明書きとして、まずは『新シリーズ!「低コストインデックスファンド徹底比較」開始。まずは説明書き』をぜひご覧ください。

新興国株式クラスの比較対象インデックスは、「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」もしくは「FTSE エマージング・インデックス」です。中国、台湾、インド、ブラジルなどの新興国の株式に分散投資するインデックスです。
比較の結果、ベストファンドは該当なしです。
え?なし?と思われたかたもいらっしゃると思いますが、今回はどのファンドも一長一短もしくは平凡な結果になっていて、ベストファンドを選べませんでした。しいていえば「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」(運用会社:楽天投信投資顧問)が3年リターン +13.46%、5年リターン +7.41%と相対的にベターなのですが、1年リターンではiシェアーズに大差で負けているし、信託報酬、実質コスト、インデックスとの差異でも上位ファンドに劣っています。
「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」は信託報酬と実質コストで他を引き離して低コストなのですが、インデックスとの差異で +3.9%という派手な異常値を出している一方、1年リターンでは全比較対象ファンドの中で最低というブレブレの実績で、とてもベストとはいえない状況でした。
前回の比較(2023年3月末)の時にインデックスとの差異の異常値について「トラッキングエラーはプラス方向だけでなくマイナス方向に振れる可能性もあることから要注意」と指摘したとおりに今回なってしまいました。
表下部に、原資産である企業の株式から配当が出てくるにもかかわらずベンチマークに「配当除く」インデックスが設定されているインデックスファンドがまとめてあります。これらはインデックスとの差異が大きく、インデックスとの連動を目指すインデックスファンドとして馴染まないため評価を下げています。

ベンチマークがMSCI組の「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」「ニッセイ新興国株式インデックスファンド」「たわらノーロード 新興国株式」は信託報酬を引き下げたばかりですので、今後のパフォーマンス向上に効いてくることを期待したいと思います。
「My SMT 新興国株式インデックス」「SMT新興国株式インデックス・オープン」は、2023年半ば頃を目途にベンチマークを「配当込み」インデックスに変更すると三井住友トラストアセットマネジメントが発表しています。やはり、株式クラスのインデックスファンドは配当込みインデックス連動の方が評価上フェアだと思います。
「SBI・V・新興国株式インデックス・ファンド」(SBIアセットマネジメント)が新規設定されました。信託報酬最安値水準に挑戦してきています。第1期の運用報告書が出るまでは「参考」扱いでウォッチしていきたいと思います。
新興国株式クラスは、比較のたびに運用状況が目まぐるしく変わり、毎回評価が難しいです。
いろいろありますが結論。
新興国株式クラスの主要なインデックスファンドについて、2023年6月末で比較した結果、ベストファンドは該当なしでした。しいていうのであれば、「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」がベターでした。
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<ご参考1>
上記の高評価インデックスファンドは、以下のネット証券で購入できます。会社名をクリックで口座開設できます(無料)
・楽天証券
・SBI証券
<ご参考2>
本ブログ記事は、私が過去に執筆・監修した書籍に掲載したおすすめインデックスファンド情報のアップデート版という意味もあります。今後も定期的に継続していく所存です。
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