140人のミリオネアが抱えるほとんど同じ「後悔」とは

水瀬ケンイチ

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パーソナルファイナンスブログ「ESIマネー(ESI Money)」を運営するFIRE達成者のジョン氏は、過去数年にわたって140人以上のミリオネアにインタビューをした結果、ほとんどが同じ「後悔」を抱えているとわかったとのこと。


詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、要旨を無理やりまとめるとこうです。

ミリオネアたちは、もっと早くからお金を貯めておけばよかったと思っている

多くの人にとって、早いうちに貯蓄・投資しないことは、何年、あるいは何十年分もの複利効果を犠牲にすることになるからと分析されています。

そのとおりです。始める時に資金が少ないことを気にして「やっても意味がない」などと立ち止まっているうちに、やがて取り返しの付かない時間が経っていってしまいます。月100円とか月1000円でもいいからはじめるべきだと私も思います。投資を始める時の精神的なハードルに比べれば、投資額を変更するハードルなんて無きに等しいものです。いつでもサクっとできるでしょう。

確定拠出年金の制度を活用してこなかった後悔を語る人もいるようです。純資産160万ドル(約2億2400万円)を持つ41歳である48人目のミリオネアはこう語っています。

20代前半に仕事が決まったとき、すぐに個人型確定拠出年金を最大限に活用しておけばよかったと思う

これも当てはまる人が多いのではないかと思います。入社して何がなんだかわからないうちに色々サインさせられる書類のひとつに、企業型確定拠出年金(企業型DC)の商品選びがある場合があります。めんどくさいので選択せずに、デフォルト設定商品(多くの場合定期預金)のまま企業型DCの手続きを追えてしまっている人が相当数いるはずです。

やがて取り返しの付かない時間が経ったあとになって、後悔につながりかねませんので、最初から投資商品(できればコストが安い株式インデックスファンド)にしておきたいところ。

企業型DCでの拠出限度額は(会社の年金制度により異なりますが)それほど大きくないことが多く、保有資産全体に与える影響は小さいことが多いので、あまり企業型DCのなかだけでリスク許容度を勘案した難しい資産配分を構築する必要はあまりないでしょう。

低コストな全世界型株式インデックスファンド1本のみ、あるいは、商品ラインナップに全世界株式がないなら、日本株式インデックス:先進国株式インデックス:新興国株式インデックス=1:8:1で組み合わせればだいたい全世界株式1本と同じになります。

ごく少額でもいいので給料が出るたびに自動引落される企業型DCのしくみに、投資を組み込んでしまうことです。

最後に、70人目のミリオネアでカリフォルニアのベイエリアに住む純資産265万ドル(約3億6900万円)のシングルマザーが言ったことを取り上げます。

お金に関して言えば時間こそが一番大事なのに、私は10年分の時間とお金を無駄にしてしまった。その10年を賢く使っていたら、今頃いくら貯まっていたことか

まさに「光陰矢の如し」。英語では“Time flies like an arrow”と言うそうです。何もしないでいると時間は矢のようにあっという間に過ぎ去ってしまいます。

お金で成功したミリオネアたちですら時間の浪費を後悔しているのですから、私たちはもっと気をつけないと後悔することになりそうです。彼らの後悔から学ばせていただき、時間を大切にして、早めに投資のしくみ化をやっておくのがよいと思います。

ただし。

何の知識もなく投資を始めてしまうのは、別の意味で後悔(失敗して市場から退場)するリスクが高まるので、投資のしくみ化づくりの際に、わかりやすい投資の入門書を1冊読んでおくことをあわせておすすめします。半日もかかりませんし。

書店に行けばわかりやすい投資入門本はたくさん出ていますが、日本人著者による日本向けの本では山崎元氏と私の共著「全面改訂 第3版 ほったらかし投資術」も悪くないと思いますので、よろしければどうぞ。

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Posted by水瀬ケンイチ