この夏に「足場固め」をやっておこう
水瀬ケンイチ

日経電子版に「新NISA前、夏にやっておきたい足場固め」という記事が掲載されていました。NISA口座開設以外に、夏に何かやっておくべきことなんてあったかな?と気になったので見てみました。
詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、要旨をむりやりまとめると、公的年金の払いもれ確認と企業型DCがある人は企業型DCをマッチング拠出を含めて運用商品の確認をしておこうという話でした。
なるほど。年金ですね。
たしかに、投資ブログやSNSを見ていても、たしかに年金関連の情報は手薄のように感じます。日本の年金制度は3階建てで、働き方により、受け取れるものが人によって大きく異なることも、年金関連の情報が手薄になりがちな要因としてあると思います。
1階の国民年金だけの人は、2階の厚生年金の話を見ても「私には関係ない話ね」とそれ以上情報を見ないし、2階の厚生年金も確定給付年金(DB)だと確定拠出年金(企業型DC)の話を見ても「私には関係ないのでパス」となるのは当然です。
また、今まで個人型確定拠出年金(iDeCo)が使えなかったのが、制度変更により新たに使えるようになった企業もあるはずですが、自分の勤務先がどうなっているのかよくわからないとか、拠出の上限金額が少なすぎて興味が持てないという人もいるかもしれません。
ただ、各人の状況が異なるそんな中でも、最低限チェックしておくべきことはあるというのが上記記事です。ポイントのみ抜粋します。
■国民年金(1階部分)の確認ポイント
・国民年金の最終納付率はおよそ80%。「免除」や「猶予」といった保険料支払いの軽減措置の利用者もいるが、単に払っていない「未納」「未加入」の人も100万人弱いる。年金不安がはやされた頃に「どうせ将来もらえない」という間違った認識が広まった影響
・若い人はまず追納、年金受給が間近になれば任意加入を検討。掛金には所得控除のメリットもある
■2階以上部分の確認ポイント(厚生年金、企業年金など)
・確定給付年金(DB)だと従業員ができることは少ない
・確定拠出年金(企業型DC)の場合は、約4割の資金が元本確保型に依然集中する商品選び見直しが課題。株式投信を検討
・マッチング拠出の掛け金上乗せを検討。掛金には所得控除のメリットもあるが、導入企業で実際に使っている人は3割強だけ
ちなみに、私の勤務先の年金制度は3階建てです。国民年金は大学時代を含めて未納なし、厚生年金、企業型DCはマッチング拠出を含めフル活用しています。
マッチング拠出の拠出可能額はごく小さく、月2万円にも満たないのですが、よく見るとほんの少しずつ上限金額が上がっているようなので、年に一度くらいチェックして、拠出額をMAXまで引き上げています(それでも数百円とかですが…)。
2024年スタートの新しいNISAの前に年金まわりを確認することを上記記事では「足場を固める」と表現していました。言い得て妙だと思います。年金まわりは手間と時間がかかりがちなので、この夏に足場を固めましょう。
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