オルカンなど「eMAXIS Slim」シリーズ4銘柄の信託報酬率引き下げに対するメディアの塩対応?

水瀬ケンイチ

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インデックス投資家の間で大騒ぎになった、三菱UFJ国際投信が「eMAXIS Slim」シリーズ4銘柄(オルカン含む)の信託報酬率を業界最低水準へ引き下げた件について、メディアではどう取り上げているのでしょうか。調べてみました。

まずは日本経済新聞です。公式発表の前日(2023年8月17日)に報道されました。「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬率をほぼ半額の年 0.05775%に引き下げるというスクープ報道でした。


次に、QUICK Money World です。公式発表の日(2023年8月18日)に報道されました。公式発表をふまえ、全世界株式(オール・カントリー)だけでなく、全世界株式(除く日本)、全世界株式(3地域均等型)、新興国株式を加えた4銘柄の信託報酬率が引き下げられると報道していました。


次に、ウエルスアドバイザー(旧モーニングスター)です。こちらも上記と同様に4銘柄の信託報酬率引き下げを報道していました。


…以上なのです。新聞やテレビはおろかブルームバーグやロイターでも取り上げられておらず、シーンと静かなものでした。インデックス投資家にとっては大事(おおごと)でしたが、一般的には投資自体がまだまだマイナーで、関心事ではないのかもしれません。

ただ、個人の資産形成のコアになる主力ファンドの選択は、本当は多くの人のライフプランに関わる重要事項なはずです。しかも、何もかもが値上がりするインフレ進行中のいまの日本で、インデックスファンドは激しい運用コスト値下げ競争が起こっており、きわめて珍しい事態であるだけでなく、個人にとって歓迎すべき「良い方向」の変化なのです。

インデックスファンドの運用コスト競争は、運用会社の企業努力と個人投資家の資産積み上げのおかげでもあり、せめて投信ブロガーとして今後も取り上げて、盛り上げていきたいと思います。

来年2024年に新しいNISA制度がはじまった時に「どのファンドを選べばいいの?」と調べるのもいいのですが、本当は今年のうちから一般NISA or つみたてNISAをはじめた方がその分非課税枠がプラスアルファで増えてお得(新旧分離)であることも含めて、金融の世界では知っている人が得をして、知らない人が機会損失するという構造があると思います。

他ならぬ自分のため、インデックスファンド選びに関する情報にはアンテナを高くしておきたいものです。



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Posted by水瀬ケンイチ