「投資信託で為替ヘッジなしを選ぶべきと言えるこれだけの理由」とは何か確認して自分の考えと比較する
水瀬ケンイチ

Finasee(フィナシー)に「投資信託で為替ヘッジなしを選ぶべきと言えるこれだけの理由」という記事が掲載されていました。どんな理由があるのでしょうか。
詳しくは上記のフィナシーの記事をご覧いただくとして、趣旨をむりやりまとめると、投資信託で為替ヘッジなしを選ぶべき理由は、①為替ヘッジコストが上昇しているから、②過去のパフォーマンスが高かったから、③ポートフォリオの通貨分散効果とのこと。
私も保有している投信はすべて為替ヘッジなしですが、理由としては①の為替ヘッジコストの存在と③の通貨分散のためです。
為替ヘッジコストについて、上記記事では「諸外国で上昇傾向をたどっている」と定性的な書き方になっていますが、データのソースがあったので引用させていただきます。
予想以上の大きさだと感じたかたが多いのではないでしょうか。変動しますが直近、ドル円で年率 +6%、ユーロ円で年率 +4%近くの為替ヘッジコストがかかっています。為替ヘッジありの投信は、為替ヘッジなしの投信のリターンからこの分が引かれるわけです。
新しいNISA開始を前に勃発しているインデックスファンドの運用コストの引き下げ競争が、年率 0.00X%をめぐる争いになっていることを考えても、為替ヘッジコストの大きさは特大だとわかると思います。
なお、②の過去のパフォーマンスが高かったというのは、調査期間(直近1か月、1年、3年、5年、10年)がたまたま円安傾向だったからというだけだと思います。リーマンショックの頃、1ドル78円の円高で外国株式インデックスファンドを為替ヘッジなしで持っているのはとても辛かったことを覚えています。それでも為替ヘッジはせずに積み立てを続けたことが、現在のリターンに結びついていると思っています。
個人的には、将来の為替動向は予測不能と割り切り、為替リスクは海外の企業に投資する際に勝手に付いてくるオマケみたいなものだと考え、渋々受け入れています。それでもできるだけ引き受けたくないため、ポートフォリオのうち株式クラスでは全世界株式で為替リスクを取るものの、債券クラスは国内債券のみにすることでほぼ為替リスクを抑えています。
▼ご参考
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