投信スーパーセンターの桜井社長からメッセージをいただきました (後編)
水瀬ケンイチ
いただいたメールの返信で、僕はお礼とともに、図々しくもあるお願いをさせていただきました。
以下は、僕が送信したメールです。(長文でゴメンナサイ)
From: 水瀬
Sent: Saturday, June 02, 2007 10:08 AM
Subject: Re: 投信スーパーセンターの桜井です。
コーディアル・コミュニケーションズ 桜井様
ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」管理人の水瀬です。
先日は、メールフォームから、メッセージをいただきありがとうございました。
また、ご返信が遅くなり、大変失礼いたしました。
日経マネー7月号に掲載された記事は、記者のかたから、「ズバリ、ここだけで十分という証券会社の組み合わせは?」と聞かれ、お答えしたものでした。
私は、海外ETFとインデックスファンドを、メインの投資商品に据えております。
海外ETFは、今のところ楽天証券(他社様の話で恐縮ですが)の独壇場となっていますが、インデックスファンドについては、やはり投信スーパーセンター様が抜きん出ていると思います。
あれだけの低コストインデックスファンドのラインナップを取り揃えるのには、大変なご苦労があったのではないかと推察いたします。
また、御社が投資教育事業にご注力されていることに関しては、私の勉強不足で、存じ上げておりませんでした。
金融リテラシーがゼロのまま社会に出て、いろいろ痛い目を見てきた、いち個人投資家としては、こういった投資教育事業の大切さを実感しております。
投信、教育と素晴らしい事業に取り組まれておられる御社に、不遜ながら、ひとつだけお願いしたいことがあります。
それは、どうか事業を「継続」してくださいということです。
私たち個人投資家(特にインデックス投資家)は、過去、投信の強制償還や事業廃止など、金融機関側の都合で、何度も痛い目に遭わされてきました。
御社におかれましては、そのようなことはないものと信じたい気持ちでいます。
インデックスファンド、ゴーイング・コンサーン!!(心の叫び)
生意気な意見を申し上げ、大変失礼いたしました。
御社の今後ますますのご発展をお祈りしております。
ご覧いただいたとおり、お願いしたことは、「事業の継続」でした。
過去、大手証券グループ各社には、投信事業において、野村ファンドネット証券の廃業、日興アセットマネジメントの直販事業廃止、大和投信の直販事業廃止という「前科」があると僕は考えています。痛い目に遭わされてきた個人投資家は、それらのことを忘れてはいないでしょう。(参考記事)
日本の遅れた投資環境を打破するには、新たな挑戦が必要不可欠だと思います。
しかし、投信事業は、個人投資家の人生をも左右する、言わば「人生のインフラ事業」です。
他の分野にも増して、事業の継続性が重要視されるべきだと考えています。
そのような考えから、不遜ながらお願いを出させていただきました。
ただ、メールを送った後、事業廃止はともかく、投信の強制償還は、投信運用会社の問題であり、投信スーパーセンターのような販売会社には責任がないと気付き、反省しました。
また、「インデックスファンド、ゴーイング・コンサーン!!(心の叫び)」は少々悪のりが過ぎたかなと…(^^ゞ
後日、桜井社長から、再び返信が来ました。
From: "sakurai"
Sent: Sunday, June 03, 2007 7:47 AM
Subject: 再度、投信スーパーセンターの桜井です。
水瀬さま
ご返信ありがとうございました。
またたいへん力強いメッセージ、心から感謝申し上げます。
水瀬さまのようなアルファブロガーは、私たちのように投資教育事業に携わる企業だけではなしえない地道な「普及活動」に取り組んでおられる、まさに金融リテラシーの「伝道師」だと思います。そういった観点で、個人と企業という立場は異なるものの、勝手ながら金融リテラシー推進の「同志」だと感じております。
同じような思いを水瀬さんがブログで取り上げられているような運用会社、販売会社さんにも感じております。さまざまな人たちの思いがあって、本当の「貯蓄から投資へ」の流れができてくるのだと思います。
前回のメールでも触れさせていただきましたが、私たちの目標は、未だ投資の経験のない一般消費者のかたたちに、初めての投資を体験していただくことです。
そのため、コストはかかりますが、リアルなショップを展開しています。投資信託が拡大したとは言え、契約型の公募証券投資信託は未だ75兆円と、個人金融資産の5%に過ぎません。
投資信託ビジネスは長期的な観点が必要だと思います。新しく始められる投資家の皆様とともに、事業を拡大していきたいと思います。
水瀬さまのメールをいただき、改めて気が引き締まる思いです。この事業をゴーイング・コンサーンで進められるよう、一層精進したいと思います。今後ともよろしくご支援のほど、お願い申し上げます。
コーディアル・コミュニケーションズ
(投信スーパーセンター)
取締役社長 桜井歩
「アルファブロガー」「伝道師」というのはリップサービスだと思いますが、「事業の継続を」という僕のメッセージは、ちゃんと社長のお耳にも届いたようです。
今後の投信スーパーセンターの事業継続に、期待したいと思います。
(おわり)
P.S
余談ですが、桜井社長から「ゴーイング・コンサーン返し」をしていただき、洒落のわかるかたで良かったと、ほっと胸をなでおろしました。
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