我慢が仕事 その2

水瀬ケンイチ

インデックスファンド投資家の仕事は、「ファンドを売りたくなった時に我慢すること」ではないか、というお話の続きです。
まず、自分の経験的に、今までどんな時にファンドを売りたくなったか、整理してみました。

(1)生活費が足りなくなった時
(2)ガンガン上がっている別の投資対象を見つけた時
(3)ものすごい上げ相場の時
(4)ものすごい下げ相場の時

こんなところでしょうか。これを我慢しなくてはいけないわけです。

(1)生活費が足りなくなった時、について。
人間、毎日の生活が基本です。生活費が逼迫してくれば投資どころではありません。
よく言われることですが、「投資は余裕資金で」です。私も今は余裕資金でやっているので、基本的にこういう状況は発生しないと思っています。(昔は、連日の合コン費用等重要出費(笑)でちょくちょく生活逼迫状態になっていましたが)

(2)ガンガン上がっている別の投資対象を見つけた時、について。
例えば、「ネット関連のA企業が●●日連続でストップ高更新中!」という情報を見たりした時の事です。
そんな時には、「A企業と比べて、自分のインデックスファンドの値動きのトロいこと。いっそ、ファンドは売って、その企業の株に全額投資したろか…」という考えが一瞬頭をよぎります。
でも、これはだいたい我慢できます。
なぜなら、その投資対象を見送っても、別に損はしないわけですから。
今までも、すごく儲かっている人の自慢話を聞く事はよくありましたが、比較的冷静に、「へーすごいね」と言ってやれます。雑誌やネットの情報などには、なおさら冷静でいられます。

(3)ものすごい上げ相場の時、について。
相場が上がれば、それと同じだけ利益も上がるのがインデックスファンドです。幸運にも含み益がどんどん膨らみ続けているような状況の事です。
そんな時には、「今は儲かっているけど、いつ下げに転じるか分からない。ここで利益確定しておきたい!」という誘惑に駆られます。
でも、これもだいたい我慢できます。
なぜなら、儲かっている状況は気が大きくなっているからです。大舟に乗ったような気分で、「多少下げても関係ないね」と威張っていられます。
それに、インデックスファンドを売って利益確定をすると、利益の一部を税金で持って行かれてしまいます。これデカイよー。100万儲かったら10万(2008年4月以降は20万円!)も持って行かれてしまう。しかも、売却した資金は、どうせまた何かに投資するわけですから(私の場合、同じインデックスファンドに投資することになる)、税金分持っていかれるだけで、たいした得もないと思います。

(4)ものすごい下げ相場の時、について。
ここで、真打ち登場。相場が下がれば、それと同じだけ損失も膨らむのがインデックスファンドです。不幸にも、含み損がどんどん膨らみ続けているような状況の事です。
これは、いままでの状況とは全く違います。はっきり言って、

とてもキツい!!

なぜなら、投資している資金は、自分が毎日朝から晩まで必死に働いて貰った給料の中から、なんとか捻出した、大事な、大事な虎の子です。それが毎日、数万円、あるいは数十万円単位で目減りしていくなんて我慢ならんです。つい、自分が今日一日労働で稼いだ賃金と、今日一日の損失額を比べて愕然としたりして。ううう…。
今すぐ、インデックスファンドを売って、目減りしない普通預金にでもして、損失の拡大を喰い止めたいと思うに違いありません。実際、自分も下げ相場でインデックスファンドを手放してしまったことがあります。(後で思い切り後悔しましたが…)

投資指南本には、「そんな時こそ強い意志を持て」とか「相場のことは忘れろ」などと、さらりと書いてある場合がありますが、ゴメンナサイ、私にはそんなこと出来ませんでした…。意志弱いんです。

では、どうするか?
それには、「売らずに我慢するテクニック」みたいなものが必要ではないでしょうか。

(次回へ続く)
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Posted by水瀬ケンイチ