個人投資家よ、自立の時!

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皆さまご存知のとおり、2024年1月1日、個人投資家にとってかけがえのない存在であった経済評論家・山崎元氏が亡くなりました。

金融商品や金融機関の在り方について厳しい批判を続け、投資家目線で分かりやすく情報発信を続けてきた山崎氏の存在は、私たちにとって道標であり、羅針盤のようなものでした。

具体的には、(A)アクティブの平均はインデックスに劣り、(B)事前に良いアクティブ運用を選び出す方法がないとすると、(C)アクティブ運用を選ぶことは経済合理的ではない、という「運用業界の不都合な真実」にもとづき、低コストなインデックスファンドで国際分散投資するのがよいと発信し続けていました。また、投資は企業等の生産活動に資金を提供するのだから、対価としてのリターンを得るのに相応の時間はかかるとして、短期ではなく長期投資をすすめていました。まさに、「長期・分散・低コスト」です。

投資の他にも、保険や働き方などお金のこと全般に関して、一貫して個人の側に立ち、良いものは良いと認める一方、ダメなものはダメと斬って、私たちに学びを与えてくれました。

金融機関側は短期で頻繁に高い手数料を投資家から取るほど利益が上がるので、山崎さんの主張はきっと邪魔であったであろうことは想像にかたくありません。


金融機関にとって都合の良い情報氾濫

山崎氏の死後、金融機関にとって都合の良い情報が、よりにもよってかつて山崎さんが関係していたメディアからあふれ出しているように感じます。具体的には、以下のような例が挙げられます。


これらの情報発信は、うまく編集されているので、一見すると投資家にとって有益な情報に見えるかもしれません。しかし、よく見ると、金融機関(売り手)にとって儲かる商品を推奨することで、投資家(買い手)から手数料収入を得ようとする意図が透けて見えます。あるいは、共著や共演している時は何も言わなかったことを、相手が亡くなってから強く批判して、注目度や広告収入を高めようとする姑息な意図が透けて見えます。もちろん、そのような主張には一貫性もなければ論理性もありません。

山崎氏の言葉を真に受け継ぐとは

山崎氏は、金融機関の利益よりも投資家の利益を第一に考え、常に投資家目線で情報発信を続けてきました。金融商品や金融機関の在り方について厳しい言葉で批判を続けた結果、高収入になるはずの金融機関からの講演依頼はほとんどなかったなど、ご本人は大変だったと思いますが、本当のことを語り続けたことで個人投資家の大きな信頼を集めたのだと思います。

しかし、山崎氏亡き後、その意思を継承し、投資家目線で情報発信を続ける人は限られているように感じます。金融業界のみならず、個人投資家ですら、SNSの収益を狙ってウソや極論で耳目を集めようとしょうもない情報発信にいそしんでいるので油断はできません。「注目されれば何でもいい」というメディアの悪いところを縮小コピーしたような個人投資家の情報発信が、SNSを中心に増えてきたように思います。

本当に正しいことを発信し続けるには、利益や利害関係をある程度犠牲にする覚悟が必要です。簡単なことではありません。

情報戦を生き抜くための3つのポイント

今後は、個人投資家自身が情報戦を生き抜くためのスキルを身につけることが重要です。具体的には、以下の3つのポイントを意識したい。

  1. 情報源の信頼性を検証する
    情報源がどこなのか、どのような立場なのか、どのような意図で情報発信をしているのかを常に意識しましょう。いわゆる「ポジショントーク」には今まで以上に要注意です。

  2. 複数の情報源から情報収集する
    偏った情報に惑わされないためにも、流行り廃りに関係なく「時の洗礼」に耐えた古典的名著、改訂が続けられている名著をベースに、複数の情報源から情報収集を行い、比較検討する。

  3. 自分自身の判断基準を持つ
    誰かの意見を鵜呑みにするのではなく、自分自身の判断基準(モノサシ)を持ち、情報を取捨選択する。

自立こそが真の投資家への道

山崎氏の言葉に頼り続けることはできません。今後は、個人投資家自身が学び、考え、判断する力を磨き、真の投資家として自立していくことが求められています。

投資家の皆さん(私を含む)、自立の時です。


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