銀行・証券がマネー争奪戦、シニアから投信への苦情も増加 (その2)
水瀬ケンイチ
前回の記事、「銀行・証券がマネー争奪戦、シニアから投信への苦情も増加 (その1)」の続きです。
前回の記事では、シニア層から投信への苦情が急増しているというasahi.comの記事をご紹介しました。
しかも、これは氷山の一角に過ぎないと思われます。
asahi.comの記事によると、国民生活センターへの苦情は年間約1000件。
それだけでも十分問題ですが、ここ1~2年の個人投資家への投信の普及状況を考えると、「苦情」を言わないまでも強い「不満」をお持ちのかたは、相当数に上ると考えられます。
なぜなら、「投資信託、大手銀・大手証券利用者の3割が「不満」 」(8月23日日経新聞より)というデータが出ているからです。
(ちなみに、不満理由のトップは、「販売手数料の高い投信が多い」です)
(関連記事)
2007/08/24 投資信託、大手銀・大手証券に3割が「不満」
上記関連記事の日経新聞の調査によると、銀行で投信を買ったかたのうち27.2%は不満を感じているそうです。
銀行で投信を買った人が何人いるかはデータを持ち合わせていないので、仮に、全国に100万人いたとします(実際にはもっと多いと思われますが)。
すると、100万人の27.2%、27万2000人のかたが不満に思っている計算になります。
そして、asahi.comの記事によると、苦情の64%が60歳以上のシニア層とのことです。
つまり、27万2000人の64%、ざっと17万4000人くらいのシニア層が、銀行の投信に不満と感じているという計算になります。
あくまで仮定の数字のお話ですが、少なくとも、1000人やそこいらのレベルの問題ではないのは明らかです。
では、どうすればよいのでしょうか。
前回の記事では、シニア層から投信への苦情が急増しているというasahi.comの記事をご紹介しました。
しかも、これは氷山の一角に過ぎないと思われます。
asahi.comの記事によると、国民生活センターへの苦情は年間約1000件。
それだけでも十分問題ですが、ここ1~2年の個人投資家への投信の普及状況を考えると、「苦情」を言わないまでも強い「不満」をお持ちのかたは、相当数に上ると考えられます。
なぜなら、「投資信託、大手銀・大手証券利用者の3割が「不満」 」(8月23日日経新聞より)というデータが出ているからです。
(ちなみに、不満理由のトップは、「販売手数料の高い投信が多い」です)
(関連記事)
2007/08/24 投資信託、大手銀・大手証券に3割が「不満」
上記関連記事の日経新聞の調査によると、銀行で投信を買ったかたのうち27.2%は不満を感じているそうです。
銀行で投信を買った人が何人いるかはデータを持ち合わせていないので、仮に、全国に100万人いたとします(実際にはもっと多いと思われますが)。
すると、100万人の27.2%、27万2000人のかたが不満に思っている計算になります。
そして、asahi.comの記事によると、苦情の64%が60歳以上のシニア層とのことです。
つまり、27万2000人の64%、ざっと17万4000人くらいのシニア層が、銀行の投信に不満と感じているという計算になります。
あくまで仮定の数字のお話ですが、少なくとも、1000人やそこいらのレベルの問題ではないのは明らかです。
では、どうすればよいのでしょうか。
asahi.comの記事で紹介されていた、銀行が勝手に投信を売買してしまうとか、解約を受け付けないとか、そういう犯罪的な金融機関側の不正は、9月30日の「金融商品取引法」完全施行によって、少しは是正されると思います。
しかし、だからと言って、銀行の高コスト体質や、初心者から搾取する体質は、そう変わらないと個人的には予想します。
一般に、60歳以上のシニア層は、若年層と比較して、運用の失敗を取り返す時間的余裕が少ないと言われています。
であれば、本来、シニア層は若年層以上に、投資には慎重であるべきだと思います。
求められるのは、asahi.comが指摘する、「金融機関側の内部監査体制を一層拡充すること」だけでなく、シニア投資家側が、「自分の身は自分で守れる程度の金融知識を身につけること」ではないかと思うのです。
少なくとも、投信を買っておいて、「元本割れの可能性があると聞いていなかった」と言うのは、いくらなんでも無防備すぎます。
シニア層に今さら勉強しろなんて厳しいのでは?
シニア層の現実を分かっていない机上の空論だ!
そう思われるかたもいらっしゃるでしょう。
たしかに、そのとおりかもしれません。しかしながら、そう思われるのであれば、金融知識のないシニア層には、投資にはいっさい手を出させないようにしてあげるのが、優しさなのではないでしょうか。
投資家に金融知識を身に付けさせる責任を、投信の売り手である金融機関側だけに負わせて、うまくいくとは思えません。
無防備に楽をすれば、それだけつけこまれる。
嫌な話ですが、投資の世界はそういう世界であると、再認識させられる今日この頃です。
(おわり)
しかし、だからと言って、銀行の高コスト体質や、初心者から搾取する体質は、そう変わらないと個人的には予想します。
一般に、60歳以上のシニア層は、若年層と比較して、運用の失敗を取り返す時間的余裕が少ないと言われています。
であれば、本来、シニア層は若年層以上に、投資には慎重であるべきだと思います。
求められるのは、asahi.comが指摘する、「金融機関側の内部監査体制を一層拡充すること」だけでなく、シニア投資家側が、「自分の身は自分で守れる程度の金融知識を身につけること」ではないかと思うのです。
少なくとも、投信を買っておいて、「元本割れの可能性があると聞いていなかった」と言うのは、いくらなんでも無防備すぎます。
シニア層に今さら勉強しろなんて厳しいのでは?
シニア層の現実を分かっていない机上の空論だ!
そう思われるかたもいらっしゃるでしょう。
たしかに、そのとおりかもしれません。しかしながら、そう思われるのであれば、金融知識のないシニア層には、投資にはいっさい手を出させないようにしてあげるのが、優しさなのではないでしょうか。
投資家に金融知識を身に付けさせる責任を、投信の売り手である金融機関側だけに負わせて、うまくいくとは思えません。
無防備に楽をすれば、それだけつけこまれる。
嫌な話ですが、投資の世界はそういう世界であると、再認識させられる今日この頃です。
(おわり)
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