「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るか?(その2)
水瀬ケンイチ
先日、『「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るか?』という記事で、Noという見解を述べたところ、賛否両論、たくさんのご指摘をいただきました。
議論の前提条件が不明確であったり、新たな問題点も指摘されたりして、議論が多層的になってきました。
そこで、あらためて頭を整理したいと思います。
外国債券クラスの金融商品について、それぞれの商品性を大枠で捉え、「金利の長短」、「金利の固定・変動」、「元本の確保・変動」という軸でまとめてみたら、以下の図のようになりました。

こうして見ると、外国債券クラスの商品の中でも、投資の目的ごとに、最適な商品が違ってよさそうです。
例えば、リタイア後の安定的収入目的、資産形成中のリスク分散目的、アクティブに絶対利益を狙いにいく目的、といった具合でしょうか。
さて、投資の目的と、商品の特徴の整理がついたところで、あらためて考えてみます。
■前回の記事の事例のような、「リタイア後の安定的収入目的」の場合、「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るのか
答えは…
議論の前提条件が不明確であったり、新たな問題点も指摘されたりして、議論が多層的になってきました。
そこで、あらためて頭を整理したいと思います。
外国債券クラスの金融商品について、それぞれの商品性を大枠で捉え、「金利の長短」、「金利の固定・変動」、「元本の確保・変動」という軸でまとめてみたら、以下の図のようになりました。

こうして見ると、外国債券クラスの商品の中でも、投資の目的ごとに、最適な商品が違ってよさそうです。
例えば、リタイア後の安定的収入目的、資産形成中のリスク分散目的、アクティブに絶対利益を狙いにいく目的、といった具合でしょうか。
さて、投資の目的と、商品の特徴の整理がついたところで、あらためて考えてみます。
■前回の記事の事例のような、「リタイア後の安定的収入目的」の場合、「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るのか
答えは…
やはりNoだと僕は思います。理由は、
(1)FXは短期金利商品だから
(一般に低金利)
(2)FXは変動金利商品だから
(不安定。しかも、利益は2国間の通貨の金利差であり更に不安定)
(3)FXは元本確保(現地通貨ベース)がされないから
(ただし、現引きできるFX業者の場合は、元本確保することもできる)
の3点です。
結論は同じですが、理由は、前よりもハッキリしてきました。
FXは、「利益が2国間の通貨の金利差」という性質と、現在の日本が「たまたま超低金利状態」であるおかげで、高パフォーマンスが続いていていますが、本質的な性質は短期金利商品であり、いつ低パフォーマンスに落ちてもおかしくない性質を持っています。
しかも、変動金利かつ元本は通常は確保されませんから、リタイア後の安定的収入目的の運用商品としては、不向きだと考えます。
逆に、外国債券(中長期債)であれば、
(1)中長期金利商品だから
(一般に高金利。たまに逆イールド状態になったりもするが例外的)
(2)固定金利商品だから
(現在の金利レベルで満足できればそれを将来まで固定することができる)
(3)元本確保(現地通貨ベース)だから
以上の3点から、外国債券クラスの金融商品の中では、リタイア後の安定的収入目的の運用商品としては比較的向いていると考えます。
僕も早期リタイアに向けて、外国債券クラスの金融商品は、ゆくゆくは外国債券への投資比率を高めていきたいと考えています。
他にも、税制、円転の仕組み、金融機関の信用リスクなど、細かいポイントはいくつかありますが、金融商品の本質的な性質で判断すると、こういうことになるのではないでしょうか。
※この話は、外国債券クラスの金融商品の話であり、すべての商品に為替リスクが存在しますのでご注意ください。
※あくまで、水瀬個人の見解ですので、間違っているかもしれません。言わずもがなですが、投資判断は自己責任でお願いしますね。
(追記)2007/12/29
コメントでいただいたご意見・ご指摘をふまえ、新たな記事を書きました。
図表を含め、整理し直しておりますので、よろしければご覧ください。
2007/12/29 「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るか?(その3)
(1)FXは短期金利商品だから
(一般に低金利)
(2)FXは変動金利商品だから
(不安定。しかも、利益は2国間の通貨の金利差であり更に不安定)
(3)FXは元本確保(現地通貨ベース)がされないから
(ただし、現引きできるFX業者の場合は、元本確保することもできる)
の3点です。
結論は同じですが、理由は、前よりもハッキリしてきました。
FXは、「利益が2国間の通貨の金利差」という性質と、現在の日本が「たまたま超低金利状態」であるおかげで、高パフォーマンスが続いていていますが、本質的な性質は短期金利商品であり、いつ低パフォーマンスに落ちてもおかしくない性質を持っています。
しかも、変動金利かつ元本は通常は確保されませんから、リタイア後の安定的収入目的の運用商品としては、不向きだと考えます。
逆に、外国債券(中長期債)であれば、
(1)中長期金利商品だから
(一般に高金利。たまに逆イールド状態になったりもするが例外的)
(2)固定金利商品だから
(現在の金利レベルで満足できればそれを将来まで固定することができる)
(3)元本確保(現地通貨ベース)だから
以上の3点から、外国債券クラスの金融商品の中では、リタイア後の安定的収入目的の運用商品としては比較的向いていると考えます。
僕も早期リタイアに向けて、外国債券クラスの金融商品は、ゆくゆくは外国債券への投資比率を高めていきたいと考えています。
他にも、税制、円転の仕組み、金融機関の信用リスクなど、細かいポイントはいくつかありますが、金融商品の本質的な性質で判断すると、こういうことになるのではないでしょうか。
※この話は、外国債券クラスの金融商品の話であり、すべての商品に為替リスクが存在しますのでご注意ください。
※あくまで、水瀬個人の見解ですので、間違っているかもしれません。言わずもがなですが、投資判断は自己責任でお願いしますね。
(追記)2007/12/29
コメントでいただいたご意見・ご指摘をふまえ、新たな記事を書きました。
図表を含め、整理し直しておりますので、よろしければご覧ください。
2007/12/29 「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るか?(その3)
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