日経ヴェリタス スクランブル(WEB版)に水瀬の意見がちょこっと掲載されました

水瀬ケンイチ

先日受けた日経新聞金融部記者さんの取材の記事が、日経ヴェリタス スクランブル(WEB版)08/05/27に掲載されました。
ヴェリタス購読者しか読めないのが少々残念なところですが。

題して、「ニッチな東証の苦悩」。
記事はまず、とよぴ~さんの投資家アンケート結果を引用しての記載で始まります。

示し合わせたわけでもないのに、15人を超える個人投資家が揃って同じ評価を下した。「ニッチ」。


また、水瀬が事前に用意したレポートに書いたコメントも掲載されていました。

「MSCIコクサイ」など有力な指標に連動したETFの上場がまだなく、大半が日本株式関連のETFであることが「ニッチ」とされる要因だ。『自動車に例えると、セダンやミニバンがなく、スポーツカーやトラックばかり販売されているのが現状』(著名ETF投資家の水瀬ケンイチ氏)だ。


興味深かったのは、海外ETFの上場の旗を振る東証と、それに乗ってこない運用会社の綱引きの様子です。

斉藤惇社長も27日の会見で「世界中を回って東証への上場をお願いすると、『東証に上場して取引が活発に行われるのか』と聞かれてしまう。東証がETFを自ら作れるなら、もう100本ぐらい上場しているのだが」と嘆いた。
 「ETFの上場数が少ないのは国内運用会社の怠慢」(別の東証幹部)「東証は世界の流れに2周遅れた」(証券会社トップ)――。それぞれの言い分は正しいかもしれないが、世界に遅れない市場を作るには、責任を押しつけ合っている時間はない。


記事によれば、ここへ来て東証の社長は100本上場させたい意気込みだそうですが、個人的には眉唾です。
ETFの相互上場をうたった、2001年のアメリカン証券取引所との提携話から何年経っているというのでしょうか。8年間待って、やっと出てきたのは金ETF、韓国ETF、中国A株ETF…。資産運用のコア商品としてのETFをずっと期待して待っていた個人投資家の身にもなってください。

一方で、運用会社ですが、こちらは腰が引けまくりのようです。
楽天証券やイートレード証券(直近の情報ではマネックス証券も加わるようです)との直接提携で、米国市場に上場されている海外ETFを直接売買できればそれでいいじゃないか、というスタンスのようです。
運用会社の言い分としては一理あると思います。これは、東証にとっては、ノロノロやっていたツケが回ってきたということだと感じます。

しかしながら、個人投資家としては、東証・大証への海外ETF上場のメリット(売買手数料が安いこと、為替手数料がかからないであろうこと、特定口座に入れられるであろうこと等)も捨てがたいものがあります。
ETFが既存の高コスト投資と競合してしまう国内運用会社にはあまり期待できませんが、バークレイズ・リクソー・アクサなど海外運用会社には一縷の望みを持っています。

ETFは特定の商品に関する事象ではない。東京市場の国際化度合いを測るバロメーターにもなる重要な問題だ。


記事はこう結んでいます。そのとおり、東京市場の国際化は重要です。異議なしです。
ただ、人生は有限であるわけで、いつ来るとも分からないベストを求めて待ち続けるよりも、ベターを見つけて前に進むべき。僕はいち個人としてそう考えています。
東証・大証へのメジャーETFの上場を期待しないで待ちつつも、現在は、楽天証券で超低コストでの国際分散投資ができおり、今のところはこれでいいと思っています。

記者さんに聞かれました。
「東証・大証にメジャーETFが上場されたらどうしますか?」
うーん、たぶん乗り換えを検討しますが……それはその時に考えます(^^ゞ
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Posted by水瀬ケンイチ